ダンス映画から知るストリートダンスの歴史 ~江守藹12選~

カルチャー
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※この記事は「SDM vol.7」に掲載された記事になります。
ストリートダンス・カルチャーを日本でもっとも古くから見てきた男、江守藹。米国ブラックカルチャーのリーダーたちがリスペクトするほどの知識人であり、「BE BOP CREW」創始者、YOSHIBOWも師とあおぐほどの大御所である。その彼が次世代を担う若者たちのため、このカルチャーの活きた歴史を伝えていこう。

ダンス映画でストリートダンスの歴史を学べる⁉

ダンス映画を通して学ぶストリートダンスの歴史です。なぜ、ダンス資料映像ではなく映画を選んだのか、それには訳があります。映画には時代背景やストーリーの中にあるダンスが描かれています。それをダンスを学ぶ上での参考として、自分の目で受け止め、学ぶことがポイントなのです。そこで、歴史と時代背景をもとに、タップ、モダン&ジャズ、ヒップホップ等、様々なジャンルの作品を選びました。

江守 藹

PROFILE
1973年に日本最初のプロダンスチーム、ネッシー・ギャングを結成し、プロとしてのキャリアをスタート。かつての『SOUL TRAIN JAPAN』の総合プロデューサーでもある。 現在は、ソウルフルな画風のイラストレーターとして、数多くのレコードやCDカバーを制作。また、DJ、音楽&店舗プロデューサーとしてもマルチに活躍している。

ダンス映画作品

巴里のアメリカ人

STORY
巴里で画家を目指すジェリーが、リズという美しい娘と出会い、恋に落ちてしまう。しかし、彼女に婚約者がいることを知ったジェリーはリズのことをあきらめようとするが……。1951年度のアカデミー作品賞をはじめ、8つの部門に受賞したダンス・ミュージカル映画。

COMMENT
ジーン・ケリー&レスリー・キャロンのダンスが見もののミュージカル映画。とても古い作品だが、パリの裏町のストリートで踊るジーン・ケリーのモダンなダンスは、踊る楽しさを見てとることが出来ます。

ウエスト・サイド・ストーリー

STORY
ニューヨークのウエスト・サイドにて対立する不良少年グループ、ジェット団とシャーク団。それぞれのグループに属するトニーとマリアが許されざる恋愛模様を描いた、現代版『ロミオとジュリエット』だ。1961年のアカデミー作品賞ほか、全11部門を受賞した。

COMMENT
永遠の名作であり、ダンサーに必見の映画。ミュージカルとして人種間の問題を描きつつ、ダンスシーンはどれも素晴らしい。特に、パーティーシーンと、「クール」という曲のダンスシーンはすごい。

ドゥ・ザ・ライト・シング

STORY
スパイク・リーが監督・製作・脚本・出演を務めた衝撃の力作。ブルックリンの黒人街スタイヴァサント。その場所でピザ屋を経営するイタリア人と、黒人との間に小さないさかいが起こった。これをきっかけに、やがて大きな事件に発展してしまう。

COMMENT
ニューヨークのあるストリートを舞台に人種問題を絡めた内容で展開。ダンス映画ではありませんが、ダンス文化とは関連の深いブラックカルチャーを描いた作品のため、ぜひとも観てほしい1本です。

タップ

STORY
天才的なタップの才能がありながら、窃盗の罪を犯し服役していたマックス・ワシントンが出所後、タップダンサーとしてカムバックするまでの葛藤と苦悩、そして夢を描いた作品。タップとロックミュージックを融合させた新しいスタイルをみせ、シーンに大きな影響を与えた。

COMMENT
黒人タップ界の重鎮たちによって構成されるマスターズ。2003年に亡くなったグレゴリー・ハインズのタップダンスも満喫できる。また、子役としてのセビアン・グローバーが出演しているのも見どころのひとつ。

ザッツ・エンターテインメント

STORY
「雨に唄えば」「ショウ・ボート」「オズの魔法使い」などMGMミュージカルの名場面のみを収録したミュージカル・アンソロジー。フランク・シナトラ、エリザベス・テーラー、ジーンケリーという一世を風靡した歴代の大スターによるナレーションにより紹介していく。

COMMENT
1940~1960年代の映画や舞台の名ダンスシーンばかりを集めた映画だからこそみられる貴重なダンス映像。ダンス風俗の歴史が語られながら進行するので、それを学びとることが出来る。

サタデー・ナイト・フィーバー

STORY
ペンキ屋で働くトニーは、毎週土曜になるとディスコで踊って日々の鬱憤を晴らしていた。ある日、ディスコで知り合った女性の今までに見たことのないようなダンスに驚き魅了される。そして、トニーは早速、彼女をダンス大会のパートナーとして誘い、コンテストの優勝を目指すが……。

COMMENT
1970年代のディスコシーンを描いた大ヒット作品。パーティーダンスが主流だった時代が感じられると思います。コンテストシーンのダンスや、当時のファッションにも注目してもらいたいですね。

ワイルド・スタイル

STORY
ニューヨークのブロンクス地区。ここには多くの若者たちが、社会に不安や不満を抱き、そのやり場のない怒りを暴力や喧嘩でぶつけていた。そんな中、レイモンドはグラフィティで自分の気持ちを表現していく。ニューヨークの若者文化を描いたドキュメンタリー映画のひとつ。

COMMENT
ヒップホップカルチャーの創成期が描かれた作品。文化はもちろん、黒人社会やブレイキンの発生の理解に役立つでしょう。ヒップホップ・オールドスクールといわれる時代の代表的な映画です。

フラッシュダンス

STORY
プロのダンサーを目指し、昼は製鉄所、夜はナイトクラブのダンサーとして働くアレックス。ダンスに情熱を燃やし、数々の困難を乗り越え、彼女はオーディションに挑むが、会場の雰囲気に圧倒され、その場から逃げ去ってしまう。夢を追う女性の姿を描いた青春ドラマ。

COMMENT
ROCK STEADY CREWのダンスシーンが話題にもなった、ダンス映画の先駆け的作品。アメリカのダンス業界やオーディションがリアルに描かれており、プロのダンサーとして生きていく厳しさが理解できる。

RIZE

STORY
ギャング抗争、ドラッグ、貧困がひしめく、世界で最も危険な地区と言われるL.A.サウスセントラル。子供たちにダンスを通して生きることを教えたトミ-・ザ・クラウンを軸に、過酷な環境で生きぬく葛藤から生まれたクランプ・ダンスに密着したドキュメンタリー映画。

COMMENT
クランプのリアルな姿を描いたこの映画こそ、ダンスだけに目を奪われるのでなく、どのようにしてクランプが発生したのか、ダンサーたちの背景にある地域性や精神性を見て学んで欲しい作品です。

ストンプ・ザ・ヤード

STORY
ロサンゼルスのストリートダンサー、DJは兄の死を機に踊ることをやめてしまう。心機一転、アトランタの大学に進んだ彼は、初めて目にするダンス、“ストンプ”に心を打たれる。Ne-Yo、クリス・ブラウンをはじめ人気R&Bミュージシャンが多数出演した青春ダンスムービー。

COMMENT
ストーリーは、ストリートのバトルシーンから、大学のダンスシーンへ。古くからあるストンプが新しいダンスとして格好良く描かれている。ありがちな青春映画とも言えるが、ダンスシーンはどれも圧巻。

ドリームガールズ

STORY
エフィー、ローレル、ディーナの仲良し3人組は、歌の成功を夢見て〝ドリーメッツ〟を結成。毎夜オーディションなどに挑戦していた。そんな彼女たちの可能性を見出したカーティスのプロデュースによって、瞬く間に全米中の注目を集める存在となっていく3人だったが……。

COMMENT
女性ヴォーカルグループの出世物語を描いたこの作品。特に1960年代のアメリカのショービジネスを忠実に描いている箇所が見どころで、時代のにおいやグルーヴ感が巧みに表現されている。ぜひ参考にしてください。

ヘアスプレー

STORY
太めの女子高生トレーシーは、親友のペニーと人気テレビ番組「コー二―・コリンズ・ショー」を見ることが日課だ。ある日、番組のオーディションが開催されることを知った彼女。母親の反対を押し切って参加するが、美人でスリムなライバル母娘が仕掛けた罠からトラブルに巻き込まれる。

COMMENT
60年代のあらゆるソウルダンスが観ることが出来ます。音楽も素晴らしく、つい踊りだしたくなってしまう作品。また、白人社会に黒人文化が入ってきた当時の背景も描かれているので注目してほしいですね。


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