『SDM』 VOL.24
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※2 世界最大のダンス・コミュニティ。全世界20都市に拠点をもち、ワークショップ、イベント、ダンススタジオなどをとおして世界のダンスシーンをつないでいる。2010年には日本にも誕生。本国HP→http://www.boogiezone.com日本HP→http://www.boogiezoneutopia.jp大衆はダンスを理解していないから、ダンスがヒットする!̶まず、『VIBE』ってどんな大会なんでしょうか!? 『VIBE』はアメリカで最も権威のあるダンスコンテストで、大会のドキュメンタリー本(※1)も出版されるほど由緒ある大会なんだ。毎年、全米から出演希望クルーが殺到するけど、ショーとしても伝統があり名高いステージだから、毎年、厳選された10〜20クルーしか、そのステージに立つことはできない。今回は『Legend Tokyo』の優勝作品をアジアを代表する振付け作品として紹介させてもらう予定だよ!̶すごいですね! ところで、Jasonさんは、どういった経歴で『VIBE』を!? 実は『VIBE』のオーガナイザーは、時代ごとに変わっていって、僕は2009年からつとめている。そして僕自身、ダンサーとして『VIBE』に挑戦しCADCというチームで優勝したことがあるんだ。今では、『VIBE』を始め、多くのダンスコンテストやショーイベントを運営している。だから、それこそ仕事として、数え切れないぐらいのショーケース作品やルーティンを分析してきたね。̶では、日本のストリートダンスシーンについて、どういう印象を持っていますか? 僕が日本のストリートダンサーから受ける印象は、いつも変わらない。みんなライフスタイルとして、その情熱や考え方をとてつもなくダンスに捧げている! 本当に賞賛すべきことだよ。また、ダンスの歴史や基礎を本当によく勉強している。とくにオールドスクーラーの人たちはスゴいね。̶高評価なんですね! でも、日本のストリートダンスは、まだそれほどビジネスとして成立していない面もありますが、それについてはどう思いますか? それは日本だけが直面している問題ではなく、アメリカでも昔は同じ状況だったんですよ。テレビでダンサーを紹介する番組が作られて、ダンスを知らない一般大衆が興味をもってくれ、今は、アメリカの主流メディアにまでヒップホップダンスクルーが登場するようになった。ただ、メディアによって市場の動向が大きく左右されるようになったことも事実だよ。一般大衆は純粋なダンスの才能を理解していないからね。世界的な成功を目指すなら、ネットを活用するべき!̶では、日本のストリートダンスを、もっと広げるためには、どうすればいいと思いますか? 僕自身、才能あるコレオグラフは、もっと国際的に評価されるべきだと思っているよ。ただ、それを実現させるキーワードは、今、インターネットにあることは間違いない! 『VIBE』もYouTubeによって世界的に広がったし、顕著な成功例がBoogiezone(※2)だ。やはり彼らのようにネットで世界中の心を動かし、そして今度はワークショップやショーなどをとおして、実際に各地域のファンと触れ合うことが大切だと思うよ。̶なるほど。では、ショーとして成功するためには、どんなことが必要だと思いますか? パフォーマーやダンスクルーをヒットさせるには大きく2つの要素が必要だと思う。1つは才能や創造力などの実力。そしてもう1つが重要で、市場の状況だ。特に、アメリカや日本のように飽和している市場で成功するためには唯一無二であることが必要不可欠だと思うよ。̶では最後に、『Legend Tokyo』審査に向けての意気込みをお願いします! 最初に『Legend Tokyo』プロジェクトの企画書を読んだ時は興奮したよ! この大会の目的の1つでもある、ストリートダンスの創造力をより多くの観客に広げる機会をつくることは、僕もイベントを運営する上で大事にしてきたことだからね。記念すべき第1回目大会に審査員として参加できて、とても光栄に思っています。 『Legend Tokyo』に参加する全てのクルーに幸運を! そして、ダンスに対する情熱をいつまでも分かち合っていきましょう!※1 米国では『VIBE』のドキュメンタリー・フォトブックも出版されている。『Legend Tokyo』のような〝振付け作品コンテスト〟は、実はアメリカでは10年以上も前からある主流スタイル。現在ではテレビ番組の影響もあり、そのムーブメントは全世界に広がっている! 中でも90年代からある老舗コンテスト『VIBE』はシーン最高峰として名高い。そのステージに『Legend Tokyo』優勝作品が日本から初出展できることが決定した! 大会主催者であるJason Park、彼の視点にクローズアップ!世界に広げるための視点。取材・文=工藤光昭text by Mitsuaki Kudo写真=TIKKphoto by TIKK協力=boogiezonecooperate by boogiezone5大陸200都市以上で公演が行なわれ、8000万人以上を魅了してきた世界最大級・最高峰のショーカンパニー、「シルク・ドゥ・ソレイユ」が、『Legend Tokyo』のジャッジに参加決定! 日本のストリートダンス文化に貢献したいという厚意のもと、〝その人に認められれば仕事に直結する〟クラスのディレクターを、現在、手配頂いている。詳細は後日、『Legend Tokyo』公式HPにて発表!世界的なトップ・アーティストたちの振付師として活躍し、数多くのハリウッド映画出演もこなすというセレブ・コレオグラファー、AndreFuentes!常に〝ユニバーサル・エンターテインメント〟を追求し続けてきた彼は、まさに本大会唯一のジャッジ振付師として相応しい存在だ! また、来日時には、日本人ダンサーの公募によるゲスト作品も披露してくれる。世界で活躍するコレオグラファーの視点。世界で活躍するカンパニーの視点。シルク・ドゥ・ソレイユ制作ディレクターブリトニー・スピアーズ振付師CIRQUE DE SOLEIL (カナダ)Andre Fuentes (アメリカ)『Legend Tokyo』 大会運営事務局からの お知らせ● Andre Fuentesの大会参加は、現在、保留となっております。(※7月29日のスケジュールが、まだ決定しておりません)。最終的な結論は、6月末に公式ホームページにて発表となります。● 公式ホームページで公表していたboogiezone代表、Elm Pizarroは、延期日程の都合があわず来日できなくなりました。また、その代行としてboogiezoneのご協力により、オーガナイザー であるJason Park本人がジャッジとして来日できることになりましたので、あわせてお伝え致します。● 「SDM.VOL20」にて公表致しました黒須洋壬のジャッジ参加は本人の意向により辞退となりました。何卒、ご了承下さい。Profile12才よりブレイクダンスをはじめ、チーム〝CADC〟にて2009年『VIBE』で優勝。同年、大会の運営プロデューサーを引き継ぐ。その後、さまざまなコンテスト、ショーイベントの運営・経営を任され、現在ではJayvee Dance Centerのマーケティング・ディレクターもつとめる。また、今なおダンサーとして、チーム〝Kinjaz〟にて活躍中!Andre Fuentesのインタビューは「SDM VOL.19」に掲載!米国/『VIBE Dance Competition』オーガナイザーJason Park飽和した市場で成功するためには、〝唯一無二〟であることが必要!あの世界最大のショーカンパニーが、かつてないビッグチャンスを提供!ブリトニー・スピアーズ振付師として有名なセレブ・コレオグラファー!33

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