『SDM』 VOL.32
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『Red Bull BC One』に関して、もう1つ着目すべき展開がある。それは〝Red Bull BC One All Stars〟という存在だ。 BC One All Starsとは、本大会の中で常に上位に位置する〝トップ中のトップ〟から選出された精鋭たちで2010年からスタートしたクルーである。現在、世界中に9名のみ。日本人では唯一、若きエースとして名高いTAISUKEが所属している。 彼らは世界各地で開催される大会のジャッジやゲスト・ショーケースはもちろん、現地で自分たちが持つ知識やスキルを未来のB-BOYたちに伝承することで、世界のB-BOYシーン発展に貢献する活動を行なっている。「俺達はこのダンスの未来を担っている。次の世代につないでいきたい!」と語るメンバーのRoxrite。 今回、ニュージーランドに訪れたメンバーは、日本のTAISUKEをはじめ総勢4名。大会前にはニュージーランド各地でワークショップを開催したり、スペシャルパフォーマンスを行なうなど、現地B-BOYシーンに多大な影響を与えていた。オリジナルメンバーは、TAISUKE(日本)、Roxrite(アメリカ)、Pelézinho(ブラジル)、Cico(イタリア)、Hong 10(韓国)、Ronnie(アメリカ)、Lilou(フランス)の7名。2012年から、Neguin(ブラジル)、Lil G(ベネズエラ)が加わり、現在9名となる。大会前には、オークランド、ウェリントン(※ニュージーランドの首都)、クライストチャーチ(※ニュージーランド南島最大の都市)でAll Starsメンバーによるワークショップが行なわれた。『Red Bull BC One』は、「ここが始まりで、ここで終わりたい!」って思える程、自分にとって原点といえる大会。All Starsメンバーになってからは、B-BOYとしての環境がまったく変わりましたね! 特に、仕事で海外に行くことが増えて本当に忙しくなりました。このアジア予選をはじめ、昨年から世界各国で「Cypher」が行なわれるようなりましたが、その都度、ジャッジやゲスト・ショーケースはAll Starsメンバーが入って行ないます。海外に行く分、しっかりギャランティが保証されるので、僕らは、ちゃんと仕事として回るようになっている。また、Red Bullのすべてのアイテムが提供されるので、本当にアスリートとして認められた感じです! 「Cypher」も最初はほとんどなかったですが、来年もさらに多くなると聞いています。 All Starsメンバーになるためには、やはりある程度、この大会で結果を残すことが大切。それも予選ではなく、ファイナルで! もし、その中でRed Bullのブランド・イメージに合ったB-BOYがいたら選ばれるかもしれませんよ。トップ・アスリートとして扱われるBC One All Stars! 日本人唯一のメンバー、TAISUKEにインタビュー! 「Asia Pacific Qualifier」もファイナルと同じく、毎年、違った都市で行なわれる。今年の開催地はニュージーランド最大の都市〝オークランド〟だ。 現地に到着して、まず驚かされたのが、ストリートダンスのイベントとは思えない程の待遇の素晴らしさだ。宿泊はニュージーランド随一の高級ホテルに1人1部屋が用意され、館内の利用は飲食を含めてすべてが無料。ホテル内にはスパやプールも完備し、会議室を改装したB-BOYたち専門のトレーニング・ルームまで用意されている! アジア各国から集った16名のB-BOYたちは、大会数日前にオークランドに入り、この環境下で気持ちをリフレッシュさせ、ベストなコンディションで大会に臨めるという訳だ。 また、お互いの交流を深めるためのパーティーや、専門の大型バスをチャーターし、空き時間に観光やニュージーランドならではのアクティビティに招待するなど、そのケアも抜群! 報道陣もアジア・オセアニア各国からが招待され、まさにオリンピック選手並みの好待遇が用意されていた!選ばれしB-BOYたちを迎えるオリンピック選手なみの好待遇。 1:ニュージーランド北島に位置する国内最大の都市、オークランド。 この国の経済の中心地でもあり、クラブなども数多くある。2:大型バスをチャーターして市内観光ツアーも開催! 博物館では先住民マオリ族がB-BOYたちを迎えて伝統舞踊ショーを披露してくれた。3:ニュージーランドといえばアクティビティ大国! B-BOYたちは時速80kmの猛スピードで駆け抜けるジェットボートを体験。4:滞在はオークランドきっての高級ホテル! しかも相部屋ではなく、1人1部屋という豪華さだ!5:アジア予選ファイナリストには、それぞれのタギングが描かれた「NEW ERA」オリジナル・キャップもプレゼントされた!19

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