『SDM』 VOL.43
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1984年にスタートした、日本初のオンラインチケット販売システム。常時2万件のイベントが登録されており、年間5400万枚を発券している。日本のドラマを元に制作した韓国ミュージカルの企画招聘を行なう。また今年1月には台湾公演も成功させ、来年日本公演を準備中。昨秋にはTVアニメ「ダンガンロンパ」の声優によるライブ&トークショー、アニメの原画展などが楽しめるイベントを幕張メッセで企画!―〝コンテンツ事業局〞とは、具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか?  ひと言でいえば〝ぴあ〞の中の〝制作部門〞といった感じですね。定期的なイベント事業、書籍やDVDなどの出版事業、この2つを柱とした業務を行なっています。ダンス公演の出資やサポートをすることもあるんですよ。―確か今年の春に開催された、梅棒公演も〝ぴあ〞がサポートされたとお聞きしましたが……。 弊社と梅棒さんの共同開催という形で行なわせて頂きました。出演者自身が公演を創ってチケットも売って……とするよりも、やはり彼らにはパフォーマンスに専念してもらった方がいい公演になる。残りの宣伝やチケットの販売は私達が得意とする分野なので、その部分をサポートさせてもらいました。これからも彼らの公演は何らかの形でサポートさせて頂くと思いますよ。―梅棒は成功している例だと思いますが、まだまだエンタメ事業における〝ダンス〞が成立するのは難しくないでしょうか? 私は、ダンスの可能性はまだまだ〝これから〞だと思いますよ! 今は色んな場所や露出する機会が増えてきているので、これをビジネスにしようと考えている人も増えている。そういう時代だと思うんです! 音楽だって、最初はストリートや小さなライブハウスで歌って楽しかったものが、「これはビジネスになる」と思った周りの大人が上手くプロデュースして、市場ができていったわけじゃないですか? ダンスもそうなると思うんですよ! そのためにも、この『Legend Tokyo』という大会は重要で、〝観る側の視点〞が重視される。やはり、ビジネスとして市場が成立するには自分の好きな事だけやっていればいいわけではない。お客さんの視点になって、「何が感動できるのか、喜ぶのか」をしっかりと考えることが必要。そういった機会をダンスシーンに提案する本大会は、まさに日本の音楽だって最初はストリートや小さなライブハウスで歌っていた。ダンスがより成長するための大切な役割を担っていると思いますよ!――そう言って頂けると心強いです! ちなみに昨年度大会をご覧頂いたようですが、どのようなご感想をお持ちですか!? もちろん素晴らしい作品はたくさんありましたが、敢えてネガティブな点を挙げると、ああいった〝円形状のステージ〞に対応できている作品が少ないように感じました。正直、慣れていないというか……、逆にそこに上手く対応できた作品が結果を残せたように思いますね。――でも、ああいった特殊な形のステージに対応するのは、なかなか難しくないでしょうか? いやいや、むしろあれこそ作品制作力の実力を図るスタンダードだと思いますよ! 今後、ダンスシーンの規模が大きくなってアリーナクラスの会場や、ラスベガスのような大きなステージでダンスを見せることになった時、お客さんがいるのは正面だけじゃない、色んな角度から見られるわけです。ですから、後々の大きな仕事のためにはあれぐらいの円形ステージで、観る人が楽しめる作品創りに慣れておいた方がいい。それに、まさに大人数ダンサーの存在が意味ある展開を考えられる創り甲斐あるステージだと思います! ――なるほど! そういった視野の広さは大事ですね! 変な言い方かもしれませんが、共同企画開催社として、この大会に挑戦される振付師の方には、〝優勝すること〞を目指して欲しくない。この大会を通過点にするぐらいの目標の大きさを持って、この大会をとっかかりに、より大きな何かを実現していって欲しいんです! 審査員としてはダンスの技術や構成力、斬新な表現等を評価するつもりですが、それに加えて、この大会だけにとどまらない視野の広い、志の高い人を高く評価したい。〝ぴあ〞としてもサポートしたい。そんな方に出会えるのを楽しみにしています!円形ステージで魅せてこそ、より大きな世界に羽ばたける!「SDM」と共に『Legend Tokyo』大会の共同企画を行なっている、ぴあ株式会社。メディアとチケット販売、2つの方法で、数々のカルチャーを発掘し広めてきた、まさに日本のエンタメ文化を広げ続けてきた企業だ。そんな同社の中でも、コンテンツ事業局という〝制作部門〟のトップとしてエンターテインメントを見すえる染谷氏が、日本のダンスの可能性を語る!チケットぴあにおいて関西や東北、北海道など、日本各地の責任者を勤めあげた後、2012年にコンテンツ事業局に異動、局長に就任。以後、同局のトップとしてイベント事業の制作や書籍・DVDの制作をとりまとめている。特に2014年には2代目レジェンドである梅棒の公演を共同開催、エンタメ事業における〝ダンス〟の可能性を広げている。染谷 誓一チケットぴあ韓国ミュージカル「Summer Snow」の招聘ダンガンロンパ ファンミーティング2013エンタメ文化を広げてきた「ぴあ」コンテンツ制作の総指揮者!エンタメ文化を広げてきた視点。ぴあ株式会社コンテンツ事業局 局長大会共同企画開催ダンスの可能性はまだまだこれから!だからこそ、よりグローバルなビジョンが必要!本質的なダンスの技術や構成力はもちろん、視野の広い志を評価!InformationInformation現在ぴあでは、旬な俳優の情報が満載、大人女子のためのエンターテインメント・ビジュアルマガジン「SODA」を好評発刊中!ぴあがプロデュースする月刊誌「SODA」!21

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