『SDM』 VOL.49
64/68

Memorable Museum『Legend Tokyo Chapter.4』でみごとレジェンドに輝いたMemorable Moment(以下略:MM)の連載企画。今回は、単独公演『GIFT』 の東京の再演に込めた想い、そしてついに開催目前にせまったChapter.5大会、その審査員として臨むKAORIaliveの胸中をつづろう!without blinkingthe eyesLooking back at 『GIFT』&Faceing to 『Legend Tokyo Chapter.5』Collection.05 公演中唯一の インプロビゼーション。―― 2013年の東京での初演、昨年の大阪での再演、そして再び東京での再演となった『GIFT』ですが、公演を終えられての感想はいかがですか? まずは、「やれて良かったな」と思いました。一昨年の東京での初演は、自分が思うようなものが出来なかった悔しさもあったので、「絶対に再演したい」という想いがあったので、良かったです。―― 公演の内容やストーリーはどなたが考えたのですか? 脚本や全体の構成の流れは私なんですけど、それぞれのシーンの振付けはメンバーで分担しましたし、衣装や音、演出助手的な役割もメンバーでそれぞれ分担しました。それぞれ分担した衣装や振付けを途中の段階や仕上がりの段階で私がチェックして、手直ししてもらうという体制でしたね。――ある意味KAORIさんは脚本・演出・監修といった立場だったんですね! もちろん、私自身が振付けをしたシーンもありますよ! 一番最初の白い衣装で踊るシーンや、食事のシーン、最後のユニゾンとか……。あとはメンバーのNaokiとMamiが振付けを担当することが多かったですね。――公演中唯一のソロを主人公であるKAORIさんが踊るシーンがすごく印象的でしたが、あのシーンはやはりフリも相当気を遣って創られたのですか? いえ、あのシーンは実はフリを一切つけてないんですよ。練習もしてないというか、すべてインプロ(即興)なんです。自分の感情を踊るとか、目に見えないものを見えるように踊るのが個人的に好きで、あのシーンではそうしたかったんです。「亡くなった家族がいるように踊る」というのが自分の中にあったので、それが見えたと感想を頂けたのは嬉しかったですね! 何十年と続き、 伝えていきたい作品。―― 即興ということはある意味、昼と夜の回ではソロの内容も違っていた? その時の気持ちで踊るようにしていたので、差はあると思いますよ。フリを予め創ると、パフォーマンスの質が均一になる、それ以上も目指せるという良い部分もあるんですけど、あのシーンに関しては〝創らない〞と決めていました。公演中、フリを付けてないのはあのシーンだけですね。―― そのソロのシーンのすぐ後の、映像と影を使った演出も印象的でした! 実はあのシーン、最初は私、サンドアートでやりたいと思っていたんです。でもそれが無理になって、別の表現を探していたら、神戸の映像コンペで優勝した京都の友達で映像を創っている人がああいう作品を創っていて。その作品を元に『GIFT』用に新たに創ってもらいました。―― 他にも映像を巧みに演出に取り入れていましたが、字幕を入れることは考えなかったのですか? 「演者がしゃべらない」、「字幕は使わない」というのは絶対としていました。観る人がいろんな見方が出来るのがダンスの魅力だと思いますし、そこを言葉で説明してしまうと私は見え方が狭まると思っているので……。もちろん、言葉で説明するのが悪いわけではなく、色んな見方で観て欲しかったんです。―― では最後に、『GIFT』を終えて、来年の新作公演に対する展望をお聞かせください! 来年の6月、活動拠点でもある京都で新作公演を行なう予定でしたが、実はまた『GIFT』をやることに決めました。『GIFT』以上に伝えたいことがない、東京での再演を終えて「それでこの作品を伝えた気になってるの?」という思いが湧いてきて……。もちろん単なる再演ではなく、キャストやシーンの変更、それこそ主人公が男性に変更する可能性もあります。変更や改良を加えても根底にあるものは変えずに、10年や20年、最終的には私たちじゃない人がこの『GIFT』を引き継いで欲しい、そうやってこの作品を伝え続けていきたいと思っています。私たちはこれからも、この作品を伝え続けたい。主人公の夫役を演じたのはMMメンバーのNaokiI。KAORIaliveをチームリーダーとする表現系ジャズダンスチーム。独自の世界観と創造性にあふれた作品を追求し、国内外の名だたるコンテストで輝かしい経歴を誇る。その他、単独公演の開催やファッションショー出演など、その活動は多岐にわたる。(以下略:MM)MMの代表作「No War」、公演中の重要なシーンとして展開される。Memorable Moment取材・文=長濱佳孝edit by Yoshitaka Nagahama写真提供=Memorable Momentphoto-provided by Memorable Momentabout GIFT62

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る