『SDM』 VOL.52
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――まずKAORIさんは、前回公演も芸術監督をしていただきましたが、前回を振り返ってみて感想はいかがですか?KAORI‥大変でしたけど、いい経験ができました。ファイナルは〝名作の進化と再演〞がコンセプトなので、1つ1つの作品はすでに完成している、それをただ並べるだけではなく、ちゃんと1つの公演として成立するように流れを作るのが大変でした。新作だったらまだやりやすいんですけど、すでに完成している作品、そしてどれも個性が強くて面白い名作! ステーキのフルコースみたいな感じでしたね(笑)。――そのお話を聞いて、今年はじめてファイナルの関東公演の芸術監督をしていただくSeishiroさんは今、どんなお気持ちですか?Seishiro‥KAORIさんの存在がかなり大きいです! こういった公演の〝芸術監督〞って普通やりたくてもやらせてもらえない立場ですし、さらに演出も運営もたくさんのサポートがある中でやらせてもらえる、しかも前回を経験されたKAORIさんもいる、これはもうマイナス面が一個もないと思って(笑)、引き受けさせていただきました!――KAORIさんは元々Seishiroさんを推されていましたよね?KAORI‥公演をまとめるのは〝作品をまとめることの少し規模が大きい版〞みたいなものだと思うので、あれだけの作品(※小芥子)を創れるならば絶対できると思ったんですよ。5代目の〝レジェンド〞でもありますからね!Seishiro‥これも宿命かなって(笑)。KAORI‥〝さだめ〞だよ、試練だよ、って何回か言った気がします(笑)。――ファイナルのコンセプトである〝名作の再演と進化〞についてはどう思われますか?KAORI‥ダンスシーンでは1回作品を創ったら「そのシーズンで何度か見せる」ということはあるんですけど、半年以上空いて再演するって中々ない。だからこそ最初に作った時に感じなかったこともたくさん出てくるし、1回自分の中で完成したものを崩して再構築するということはしんどいですよ。でもクリエイトってそういうことだから、それを出来る機会というのは、作り手としてすごくいい経験が出来ていると思います!――作り手として「大変だけどためになる」という感じなんですね!KAORI‥もちろん、観る方としても出演者が変わることで全然違ってきますよ。「自分はこういうつもりで最初作ってなかったけど、この人が踊るとこういう風に見えるんだな」って発見もあるから、また面白いんですよね!Seishiro‥本当にその通りですよね!過去の作品とまた向き合って、また1つ自分が成長できるし、絶対にいいものができると思います。でもまぁ、過去を振り返るのがイヤな時もありますけどね(笑)。――過去を振り返るのがイヤな時とはどんな時ですか?Seishiro‥昔の見たくない自分を見ている感じというか……KAORIさんもそういうことありませんか? 今回の『FINAL LEGEND Ⅳ』の舞台予定図。LEDパネルを多数配置した、新たなる世界観を提示する予定!(実際のデザインはこの図から変更します)宿命と書いて〝さだめ〞だよ!過去の自分と向き合うのはしんどい?Prole『FINAL LEGEND Ⅳ』関西公演芸術監督『Legend Tokyo Chapter.4』最優秀作品賞〝レジェンド〟獲得。表現系ジャズダンスチーム、Memorable Momentのリーダー。国内外の名だたる大人数作品コンテストで輝かしい成績を収め、国際的コレオグラファーとして活躍する。近年では宝塚歌劇団の振付けも担うなど、その活躍は多岐に渡る。ついに第4回目の開催となり、同一コンセプトでありながら関東と関西、別々の地域で開催される、今年の『FINAL LEGEND Ⅳ』(以下略:ファイナル)。その芸術監督に就任したKAORIalive(以下略:KAORI)とSeishiroに、今年の公演について語ってもらった!繊細なものが好きなこの2人で、今までにない〝ファイナル〞を!取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama30

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