2023年以来、実に2年ぶりの開催となる『Legend Tokyo Chapter.12』本戦に向けて出展権をかけた関西予選大会が大阪にて4月5日に開催された。
審査員にはレジェンド本戦でも活躍するコレオグラファーたちが並び、全8作品が自身の表現を競い合った!
その作品の表現は挑戦者たちの試行錯誤によってまったく異なる特徴をみせる。純粋に音楽表現を追求したヒップホップや、花言葉をテーマにしたジャズ作品、人形をテーマとしたエンターテインメント性豊かな作品など、実にさまざまな方向性の作品が己の鍛錬の成果をぶつけ合う。
かつては出演ダンサー個人が持つダンススキルの高さを活かした作品が関西ダンスシーンの特徴ともいえたが、コレオグラファーの独自性が現れる群舞が光るような変化がみられた。
審査の結果、本線への切符を手にしたのは、Chapter.6大会では「ENcounter ENgravers」の中心メンバーとして活躍していたTakuya Matsunaga(特別選定賞)、過去大会に出演メンバーとして参戦してきたHermano(準優秀作品賞)、そして学生と先生によって創りあげた大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(最優秀作品賞)の3組!
これまでレジェンド本戦を戦い第一線で活躍する審査員たちからは「今の気持ちを忘れずに自分たちや仲間をリスペクトすること」「ダンススキルだけでなくステージングに必要なスキルにも目を向けること」など現実を伝えながらも、すべての振付師、出演者に対して熱く鼓舞し激励の言葉がかけられた。
関西コレオグラフシーンの代表として、本戦ではさらなる衝撃を与えるだろう!
ALL NUMBER REVIEW
Mana作品「バンクシア ー絶望から咲く花ー」

トップバッターを飾ったMana作品。序盤には音に合わせた振付でミステリアスな雰囲気を醸しだす。後半にはよりダイナミックに多彩なフォーメーションを展開して畳みかけてみせた!
ユカ作品「命有る限りは踊れよ乙女」

対立したレディースを彷彿とさせる演出や衣装、楽曲がハマったユカの意匠作。荒々しくパワフルな姿と、対比的な可憐な様子を取り入れたユニゾンが、女性としてのギャップを生み出した!
SHU-TA作品「ゆめうつつ」

本予選大会唯一のロッキン作品! リズミカルかつスピーディなユニゾンが小気味よく展開されていく中、ハウスやワックを織り交ぜながらストリートの持ち味にも着目された作風を披露した!
久保坂明美作品「運命への叫び」

歌唱の強い楽曲に負けないパワーを乗せた久保坂明美作品。起伏の激しい感情と非常にキレのあるジャズを併せた振付が、彼女の創りあげる世界観をより色濃く表現してみせた!
Takuya Matsunaga作品「Authentic Reflection 〜真の私たち〜」

序盤から洋ラップに合わせた細かくも激しいユニゾンを一糸乱れず披露した姿は圧巻! 素早い振付ながらもどっしりとした体幹によって、ハッキリとした動きにして最後まで見せきった!
Hermano作品「ルッキズムからの解放 〜ありのままの私〜」

序盤には力強いユニゾンで苦悩を感じさせる印象を与え、後半には明るい色へと衣装を変え、全身をのびやかに美しく舞い、与える印象を変えることでそれぞれの心情の変化を描いてみせた!
のー作品「DOLL HOUSE」

奇抜な衣装が特徴的なのー作品は人形をコンセプトに演出。衣装によって趣向を変えた振付を魅せたり豊富な表情によってエンターテインメント性に溢れた作品となった!
大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(総合演出:宮城ユリカ)作品
「End to begin」

「ハウルの動く城」をモチーフにされたかのような作品を披露。複雑に組みあげられた構成とシンプルなユニゾンを使いわけ、その場面や心情を伝わりやすくみせた。
入賞作品 発表!
最優秀作品賞 大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(総合演出:宮城ユリカ)

準優秀作品賞 Hermano

特別選定賞 Takuya Matsunaga

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