※この記事は筆者のブログより転載しています。
※トップ画像は公式サイトより
NiziUの「Make you happy」を見ていたら、緻密なメンバーのキャラクター紹介と作り手の狙いが込められているのに気が付いた。
最近、仕事の関係上さまざまなアーティストさんのMVを見ていて、今さらながらNiziUの「Make you happy」をちゃんと見てみました。
そしたら「このシーンってこういう意味では……?」といろいろ気付いたので自分なりの考察を残します。
※最近Nizi ProjectのオーディションのYouTubeアーカイブを見始めたにわかです。
※考察は個人の見解です。
※公式サイトでメンバーの顔と名前を確認しながら書いています。ってか公式サイト情報量少ないな。
■ 前奏(0:00~)
前奏部分はメンバー1人1人が名前とともに短いカットで映し出されます。
この時のそれぞれの背景の色はメンバーのイメージと何かつながりがあるんじゃないかな~と思いつつ、この時点ではまだ何とも分からないのでさらっと次に。
■ 1人目(0:07~)RIMAさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=7
メンバーはRIMAさん。
カメラに向かって小躍りしながら小走りしてます。
MVの最初のAメロ部分ってめっちゃ重要ですよね。
ガチファンはともかく、興味を持ち始めて「ちょっと見てみようかな」と思った人へのファーストタッチの部分。
そんなはじめましてのお客さまの目にも触れる最初のパートの人選は重要以外のなにものでもない。
ここを任されるのは攻めの強さというかパフォーマンス力の高さ、攻撃力の高さで切り拓いていく切り込み隊長的な位置のメンバーだと思います。
流動性のあるグループだったら次期エースとかの位置。
ロケーションは川辺の欧風な街並みでさわやかな印象です。
■ 2人目(0:13~)RIOさん?
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=14
メンバーはRIOさん?
くるくる回ったりテケテケ踊ってます。
なんだろう、ちょっとオシャレ。
ベレー帽の感じだったり、欧風な街並みは前のシーンと同様だけど今度は周りに人がいないから、ちょっと洗練されたイメージがあります。
あと周りが緑ゆたかでファッションもグリーンがキーカラー的になっていて、こちらもさわやなか印象。
後半の部分もそうだけど、ターンとか片足ケンケンとかやってる動きがスムーズかつ地味に身体能力問われるものなので、ダンスが得意なメンバーなのかな?
あと視聴者に「ああこんな風にメンバー1人1人のソロが展開されていくのね」ってMVの構造を理解させてくれるパートになっていると思います。
■ 3人目(0:19~)AYAKAさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=19
メンバーはAYAKAさん。
自転車。乗り物乗ってます。全員踊るフォーマットじゃないんかい!
って思ったけど、おそらくこのシーンは作り手としてほんとはポージングとか止め絵で作りたかったのかな?と思いました。
というのも自転車って両手が塞がるんですよね。
圧倒的に動きが制限される。
つまり作り手が「メンバーの動きが少ない状態のシーンにしたい」と考えてる。
つまりそのシーンに出るのは動きが少なくても魅せることができるメンバーってことじゃないかと。
要するに「そのままのビジュアルの良さをご堪能ください」って意図が「自転車に乗せる」ってことで表されてると思ったりしました。
場所は街中というか住宅街。
■ 4人目(0:25~)MAKOさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=25
メンバーはMAKOさん。
場所が遊具のある公園。
なんかすごく力量の問われるロケーションですね。
公園とか遊園地って結構アイドルと相性のいいロケーションかと思うんだけど、それ故に地力が試されるというか、、
遊具が邪魔で思いっきり踊れるわけじゃないし、かっこいいポージングは場所的に合わないし、かわいさ表現とか遊具を使って無邪気に戯れるっていう道しか残されてない。
だからこそその人の素に近い魅力が試される=飾らないでも魅力が充分にあるメンバーって作り手に信頼されている人なのかなと思いました。
■ 5人目(0:31~)MAYAさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=31
メンバーはMAYAさん。
いやこの方ってかシーンすっごい不思議。あきらかに他のシーンに比べて場所が雑然としているというか、、言ってしまえば見栄えのするキレイな場所じゃない。
でもこの編み込んだ髪型とかペイズリー柄の目立つファッションとか、MAYAさんの醸し出す雰囲気がこのロケーションにばっちりマッチしてる。
なんか不思議なオーラがありますね。
「私タトゥー入れてるんですよね~」って言われても
「へぇーそうなんだね~」ってするっと受け入れられちゃうような感じ。
どことなく女優さんっぽいオーラを感じる。
■ 6人目(0:38~)MAYUKAさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=38
メンバーはMAYUKAさん?
このシーンは圧倒的に他との違いがあって、狭い室内(バス内だけど)で周りに人がいてちょっと絡みがある。それも老若男女。
その人たちも一緒に楽しそうに踊ってるってのがポイントですね。
これってつまりこの人親しみやすいですよってメッセージ。
愛嬌があって親近感があって誰とでも仲良くなれる、一緒に遊ぶと楽しいって印象を与えてると思います。
ムードメーカー的なキャラなのかな?
■ 7人目(0:41~)RIKUさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=41
メンバーはRIKUさん。
階段です。階段で上から下にちょっとした仕草をまじえながら降りてきます。
これはもう作り手側がこのメンバーを権威化したいというか、すごく見せたいって意志があると思います。
というのも、一般的な演出効果として上にいる人は偉いんです。見上げる位置にいる、物理的に上にいるってのはそういう狙いがあったりする。
※マンガとかゲームでもラスボスはよくでっかい階段から降りてきたりするし、表彰台も1位が一番高いし、王様も基本的には民衆が見渡せる高い位置から喋ったりするじゃない?(一例)
だから階段の高い位置から降りてくるってのは明確に作り手の演出的意味が込められてる。
作り手としては「この人すごい人」って印象づけたい狙いがあるハズ。
そんでさらに!
この曲のパート1サビじゃないですか! サビ!
だいたい情報番組とか音楽番組の短い尺の紹介で使われるのってMVのサビの部分ですよね普通は。
ただこの曲の場合は全員ユニゾンがある2サビorラスサビがよく使われる部分だけど、その次に使われる可能性があるのがこの1サビの部分。
大事な大事な部分。
これはもうRIKUさんはグループにおけるエースである可能性が高い。
■ 8人目(0:49~)MIIHIさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=49
メンバーはMIIHIさん。
乗り物メンバー第2弾! こちらも両手が塞がるキックボードに乗ってますね。
ということはAYAKAさんと同様、ビジュアル担当的な位置だと思います。
(他のメンバーも全員かわいいじゃないですかって話は置いておいて)
他のメンバーと違ってカットも右から左から前からと、短い時間の中で色んな角度から映ってます。
どの角度で撮っても絵になりますよ~ってことですね。
なんかその内モデル業とかにも進出して、それからメイク道具とかアパレルとかでオリジナルブランド立ち上げそうな感じがしますね個人的に。
場所は橋。抜けの空がきれい。
■ 9人目(0:55~)NINAさん
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=55
メンバーなNINAさん。ハーフっぽい。
ちょっと特殊でローラースケート履いてます。
乗り物的な分類にはなるけど両手が自由だしどちらかというと運動神経が良さそう、スポーティーって印象を受けますね。
いやそれよりもこのシーンで重要なのはプロデューサーのJ.Y.Parkさん出てるじゃん! しかも不審者的な役で!
一見ちょっとした遊び心かなって思ったけど、プロデューサーの立場で「メンバー紹介も兼ねたデビュー曲のMVで、どのメンバーのシーンに自分が登場しようかな」ってのを考えると
・特別な思い入れがある
・自分(JYP)との絡みの相性がいい
・1人で何かをやらせるには少々心もとない
・不審者を見る表情がこの子の持ち味
ってパターンのどれかのメンバーのところに出るんじゃないかな。ちょっと結論がでないな。
(「他の子のシーンには出れないな」って考えた末の消去法、ってパターンもあるかもだけど)
場所は川辺。
■ 2巡目の雑感
1:13~ RIO くるくる回るの好きなのかな?
1:19~ MAYUKA 楽しそうな雰囲気が分かりやすい。AirPodsの存在感もちょっと気になる。
1:25~ AYAKA ふくれっ面?の顔のアップから始まるのはずるい。
1:31~ MAYA 石壁に向けて踊る謎ダンスもなんか惹かれる。
1:37~ MAKO 後ろに映ってるこの遊具が謎で気になる。ジャングルジムでも登り棒でもないし……
1:42~ RIMA 手の動きがサビの縄跳びダンス→子どもが楽しそうにマネする ってのが「ダンスをマネして楽しむ」って姿を一瞬だけど印象付けてる気がする。
1:45~ MAYUKA 2サビ前の曲のブレイクっていう難しいところを任されてる。キャラと表情を信頼されてる感じがする。
1:53~
2サビ前の全員集合。それぞれ私服からステージ衣装?に変身してるのかな。
■ 2サビ(2:15〜)
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=135
このシーンが曲を紹介される場面(情報番組・音楽番組とか)で一番使われる、興味を持ってない人でも目にすることが多い部分だと思います。
普通は1サビとかなんだけど、こっちの方がメンバー全員が映ってるってことで、それぞれの編集者はここを使うだろうってのを見越してる作り方ですね。
1.そんな大事なシーンのセンターはRIKUさん。
これはもうエース不可避です。1サビも任されてたし。
引きで映してるからちゃんとユニゾンの振りもキッチリ揃えて見せてますね。
(振りについては後述)
2.3エイト目からフォーメーション&衣裳もチェンジしてセンターはMIIHIさん。
さっきまでと違ってカメラのアングルが顔がハッキリ見えるようにアップ目に寄ってる&MIIHIさんだけ衣裳がちょっと色濃くない?ピンク度合いが。
これはもう「この人を見てください」って作り方ですね。
やはりビジュアル担当的なメンバーではないかと(だから全員 略)
3.5エイト目からのセンターはNINAさん。
振付が少し細かくなる&踊りながら移動っていう、少し手の込んだものになってるから人選的には「このパートをしっかり踊れるメンバー」って感じなのかなぁ(自信なし)
※9.21追記
これちょっと考えてみたら単純なことで、ほとんどのメンバーがソロシーンが2回ある中、1回だけのメンバーがRIKUさんMIIHIさんNINAさんで、その3人がサビでセンターになってる、ってことですね。
ってことは、このMVにおいてはメンバーそれぞれの目立つシーンを均等にしようとしてる=全員を平等に紹介したいってことだと思います。
そんな中、ある意味特殊なエキストラパート的な位置付けのラスサビ前ブレイク↓は、パフォーマンス力メインで選んだガチンコの選抜シーンじゃないかと推測。
※10.2追記
専門外なので見落としていましたが、このサビの部分でメインとなるメンバーの人選は歌唱力って部分も大きいのではと思い始めました。
■ ラスサビ前ブレイク(2:30〜)
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=150
ここはもう分かりやすいぐらいにスキルパートですね。
私たちはかわいく踊ってるだけじゃないぞっていう、本格派のラップとダンスで魅せる、パフォーマンス力を見せつけるパート。
そんな実力が問われるパートで満を持してセンターを任されるのはMAKOさん。
勝負所を任されるってのはこれはもう、この人がいるからメンバーも作り手も安心できるっていうグループの要でしょ。キャプテンとかリーダーとかでしょ。
よく見たらサビ始まってからずっとセンター付近で踊ってるし。
あと最初の前奏部分でもバックのLEDカラーが赤でしたね。赤といえばリーダー!
そんで続くMAYUKAさん、RIOさんはメンバーの中でもパフォーマンス力がある方なんでしょう。
もしくはソロの表現が得意とかで、ここは攻撃力の高さのあるメンバーで固めたパートなんだと思います。
そして攻撃力といえばこの人が出てくるハズ!切り込み隊長ことRIMAさん。
このスキルパートをキッチリ締めくくってくれました。ってかラップうまっ……
■ ラスサビ(2:54〜)
https://youtu.be/QW28YKqdxe0?t=174
フォーメーションは2サビと同じなので別の視点で。
●振付
縄跳びダンスって呼ばれてる最初の1エイト。
これはもろマネしやすさ、キャッチーさを意識して作られたんだろうなって思います。
それとこれはアーティストMV制作やっている方が言ってたけど「あの振りはTikTokとかの縦画面に映える動き。きっと踊ってみた動画が拡散されるのを狙ったものだと思います」ってのを聞いてへぇ〜確かに〜って感心しました。
ちなみに縄跳びダンスが注目されがちだけど、3エイト目の動きもかなりキャッチーですよね。
手刀でぐるっと丸描いてお願いお願い、みたいな動き。
この部分もお願いダンスって言ってもいいぐらい特徴的じゃない? むしろ男子的にはこっちの振りの方がグッと来ない?
●カメラワーク
自然過ぎて気付きにくいんだけど、アングルが寄りになってる時にフレーム自体が動きやリズムに合わせて動いてるんですよね。
一番分かりやすいのは3:07~ の振りに合わせた「タッタッタッタ タッタ タタタ グ~ワグ~ワ」って感じの動き。
その他のシーンでもフレーム際の背景に注目してみれば画面全体が揺れてるってのが多い。
あんまり日本のMVでこういう手法見たことなかったけど、特にダンスの映像だと振りorフォーメーションに合わせてリズミカルに画角を動かすってのは重要な要素になるんじゃないかなー(すでにやってる人からすれば当たり前のことかもしれないけど!)
●場所
これ面白いのが本番のステージ上ではなくて、劇場の前なんですよね。
こういうのでよくあるのって、「メンバーそれぞれが別々に移動していて、最終的に全員で一箇所に集まって本番のステージ」みたいな構成だと思うんですよ。
それが、集まったのがきらびやかな本番のステージではなくて、劇場の前(の広場)。
そこに込められたメッセージとしては
・私たちはまだまだこれから(デビューなので)
・一応コロナ禍なんで架空と言えど密集した客エリアを描くのを避けた
とかなのかなぁ、、
何か他にもっと意味がありそうですね。考察しがいがある。
■ 締め
こんな感じで、公式サイトの情報が少なすぎると思ったのをきっかけにMVから勝手に考察してみました。長い。
※これからYoutubeでオーディションアーカイブ見ていくので「この考察全然違った〜!」って思ったらしれっと修正します笑
ちなみに一番の推しはJ.Y.Parkさんで謎過ぎて惹かれるのがMAYAさんでべっぴんさんだなぁと思ったのがMIIHIさんです。
メンバーをさん付けで書いているのはJ.Y.Parkさんを見習ってです。
オーディション時から二回りほど年の離れた子たちにリスペクトを持ってさん付けで接してるのが素敵。
あといろんなビジネスリーダーが言ってるけどフィードバック力がすごいですね。
こんだけ考えてみてあれだけど、MV作った人に「考えすぎ笑」って笑われたい気持ちもある笑
このオンラインコンテストの5分映像作品部門の審査をします。
オンラインダンス映像作品コンテスト『Legend Tokyo CHRONICLE』
https://legend-tokyo.com/
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