爆発的センスが 縦横無尽に駆け巡る
センセーショナルなアメリカン80’s!
〝レジェンド〟が装いも新たに名称を改め、大阪での開催となった『Legend UNIVERSE』。新たな時代の到来を予感させる、新勢力がしのぎを削る中、みごと頂点の座を獲得した登美丘高校ダンス部(振付:akane)。多くの観る者の心を掴んでみせた作品を徹底レビュー!
『Legend UNIVERSE 2019』最優秀作品賞〝レジェンド〟受賞
登美丘高校ダンス部(振付:akane)作品
「Can’t Stop Dancing!!」
奇抜かつハイセンス! 怒濤の構成力で魅せる 80年代アメリカン!
過去2大会連続で審査員賞を獲得したakaneが、登美丘高校ダンス部として3年ぶりに作品を出展。もはやその作品は以前のように「若手ながらあふれる才能を感じさせるもの」ではなく、「今、日本で一番勢いのある振付師による作品」として世に披露された―。
冒頭、軽快なドラムビートと共に姿を現したのは、クラシカルなアメリカの若者を思わせるダンサーたち。楽曲も「フットルース」、ということは80年代のアメリカがテーマ……と勘のいい来場者が気付くのが早いか、まだ曲の前奏部分であるにも関わらず、フォーメーションは目まぐるしく変化していく。
ステージの中央、下手側、セットの台上、3箇所のダンサーたちはそれぞれ異なる振付を移動しながら踊り、そこに上手から別のパートが合流し、さらに二手に分かれて……と、ダンサーたちが足を止めている瞬間が全くないことに気付かされる。
振付と移動が混然一体となってクリアに展開していく様子や、大人数ユニゾンでありながら位置で細かく分けられた振付など、もはや幾何学的な美しささえ感じさせる構成はakaneの高いセンスと計算力の成せる業と言えるだろう。
作品の後半は、数々の大会を制してきた代表作「HERO」を改良したと思われる内容。ダンサーたちはビビッドなレオタードに身を包み、エアロビをイメージしたコミカルな振付を織り交ぜ、ステージ上を縦横無尽かつ規則正しくパフォーマンスが展開されていく。
迎えたラストのユニゾンは、今大会最多人数である出演ダンサー75名が一気に登場。「奇抜な格好をしたダンサーたちが高速で一糸乱れず踊る」という異様かつハイセンスなこのシーンは、観る者に視覚情報の脳内処理が追いつかないほどの衝撃を与える!
素晴らしい作品披露の返礼かのごとく、作品終了の暗転後も来場者たちは大喝采をステージに贈り続けていた。
なぜ多くの人の心を動かしたのか?
作品の魅力を徹底解剖!
Point.01
キャッチーなテーマと世界観!
前半はロックンロール・パーティー、後半はエアロビクスをモチーフにし、80年代のアメリカの若者たちのスタイルを独自の感性で解釈し、キャッチーな世界観を創出!
Point.02
独特の奇抜な振付!
流行のスタイルや振付にとらわれることのない、スピーディーかつキレがありながら、時たま繰り出されるコミカルで抜けのある振付はまさにakaneのオリジナルスタイル!
Point.03
独自のセンスが光る手作り衣裳!
既製の服にさまざまな加工を施し、さらにカツラやポシェットを装着。カラフルでごちゃごちゃしながらも衣裳として全体の印象が統一されているのはさすがのセンスと言えるだろう。
Point.04
計算された高速の構成展開!
ユニゾンでありながら位置により振付に対称性を持たせている点や、細かな移動や出ハケも隙なく振付で作られている点など、センスだけではない計算力の高さが随所に伺える。
2019.7.6(土)-7(日) @大阪・オリックス劇場
大会公式サイト https://legend-creative.jp/universe/2019/
information
次回開催2020年8月8日(土)-9日(日)@大阪・オリックス劇場
- 西日本予選大会『Legend RISE 2020』2020年2月24日(月祝)@芦屋・ルナホール
- 東日本提携イベント『コレ×ステ vol.4』2020年2月29日(土)@HY TOWN HALL
- 中日本提携大会『master works TOKAI -第七章-』2020年3月8日(日)@東海市芸術劇場
予選公式サイト https://legend-creative.jp/universe/
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