身近な社会問題に切り込む作品を魅せた実力派コレオグラファー、Kahonnaに迫る!

インタビュー
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世界で活躍する有名ダンサーが集結する、関西随一の歴史をもつ老舗ストリートダンススタジオ「CAMURO DANCE STUDIO」。中でも近年、邦楽・洋楽に関係なく様々なスキルを魅せるヒップホップで実力を発揮しているのはKahonnaだ!
10代を中心に人気を博し、関西ヒップホップ界に新たな風を巻き起こす彼女が『CAM’ROC 2023』にて話題を呼んだ作品を関東にて出展! 彼女がどのようにしてその作品を制作するに至ったのだろうか、その全容をインタビュー!

私は小学6年生からダンスを始めましたが、その時に教わっていたのが実はロッキンだったんです。その頃に通っていたスタジオでコンテストにも出場していました!
高校生になってから『DANCE ATTACK‼︎』を観てヒップホップに憧れて、高校2年生から始めたんですよ。それ以降はヒップホップを中心にしながら色々なジャンルの要素を取り入れて自分を最も表現できるスタイルを探しながら続けています。

ジャズはほとんど経験なくて(笑)。でも教わっていたスタジオの発表会で他のクラスを観ている時に、ジャズナンバーで私の好きな曲を使ってめっちゃ感情を表現されている作品があったんです。
それに感動して「私もこんなふうに踊れるようになりたいな」って思っていました。

当時からJ-POPを聴くのが好きだったんですけど、やっぱり関西では特にヒップホップで踊る方が少なかったので抵抗はありまして……。クリスマスがきっかけで邦楽レッスンでやってみたんです。
そしたら受けてくれたみんながすごく楽しんでくれたのと、再生回数も100万以上超えたのが嬉しくてやって良いんだって安心して、中には洋楽よりも邦楽がやりたいって子もたくさん増えてくれて、私自身も邦楽を作るのも聴くのも好きなので、そこからずっとJ-POPでもレッスンをやるようになりました。

やっぱりヒップホップの振付を考える時と邦楽の振付では全然異なったスタイルになるので、自分でもどうやってこのスタイルができあがったのか分かってないんですけど(笑)、いつも思うがままに考えてます。

始めはエキシビションに出展していて、2018年からコンテストに挑戦しています。2022年開催の時、4回目の挑戦にしてやっと悲願の優勝ができました!
その前の3大会ではどれも入賞すらできなかったので、2022年には優勝を逃したらダンスを辞める決心でいましたね。「私、この作品で優勝できなかったらもうダンス辞めるから」ってみんなにも宣言してたんですよ(笑)。

だからこそ自分が今までやってきたヒップホップで勝負したかったですし、絶対に勝つ気持ちでいました。ヒップホップは構成が苦手と言われることが多かったので多彩にしようと意識しましたし、アクロバットも取り入れて、今までとは比べものにならないぐらいの時間をかけて作りました。
みんなも今まで以上に力を入れてくれて本気で挑んでくれました。

結果発表前、他の振付師の作品を見ていてやっぱりレベルが高く、私はものすごく不安になっていました。3位入賞でもできたらと思っていたのに、名前は呼ばれず、私は諦めかけていたんですけど、メンバーのみんなは自信があったみたいで。
だから優勝で呼ばれた時には本当にびっくりと嬉しさと…それ以上にダンスを続けられるっていう安堵の気持ちが強かったですね(笑)。
みんなが勝たせてくれたので本当に感謝しています。

出展する作品はどちらも『CAM’ROC 2023』にて3位入賞とオーディエンス賞をいただいた作品になります。
2/23に行われる『ROC THE CITY』では「K2CB」という、私がオーディションをさせてもらってそこに受けに来てくれた子の中から結成した、大切な10人のヒップホップチームで出展し、『FINAL LEGEND』ではさらに人数も増やして異なる見せ方をしようと考えています。

使用楽曲はアメリカで有名なLogicさんの「1-800-273-8255」になりますが、これは人生を諦めて自らの手で終わらせようとする人を救うための楽曲なんです。リリースされた時には衝撃を受けていました。

一時期、ダンスも何もしたくないくらい落ちこんでいた時があって。でもその時「K2CB」のみんなに会うと元気が出たりして、やっぱり誰かの支えによってダンスができているなって改めて感じたんです。

また、この曲のPVでは、LGBTを理解されず苦しんでいる人を描いています。私の友達にもそういった方がいて、親や友達など誰にも言えなくて悩んでる姿を見てきました。それだけでなく、人生を生きていく上で一人一人言葉にはしないけど、内に秘めた想いの中でそれぞれの苦しみがあると感じました。
私がこの作品をつくることによって「1-800-273-8255」を知らない方に届いて、少しでも救われる人が増えたらいいなって思っています。

タイトルとなっている「You Are Not Alone」には、あなたは一人じゃない、という意味のほかに‶そう思っているの君1人じゃない〟という意味があります。仲間がいること、同じ経験をしている人がいることが伝わってほしいですね。
もちろん、これを見て悲しんでしまう方がいるかもしれないので、見る人によってどのように感じさせてしまうのか不安で作りながらも勇気のいる作品でしたが、いつも私を支えてくれるメンバーとこの曲を表現したいなって想いが強かったですね!

気持ちを合わせることがすごく苦戦しました。
楽曲の歌詞の気持ちになったことがないメンバーもいて、どう表現したらいいのか難しいっていう子達がいて、そのたびにみんなで話し合いをして、練習の時に和訳の動画を見たり、他にもその楽曲のYouTubeコメント欄に書かれた多くの想いを読んだりしてみんなで気持ちを合わせていましたね。
最後の練習ではみんなが号泣していたのをみた時には、私も感極まってしまいました。

私は常に作品を観てくれた人たちの心にちょっとでも残ればいいなと思って作品づくりをしているんですけど、今回は社会問題にもなっている自ら命を絶つことがテーマとなっているので、これを見てつらい気持ちを思い出してしまう方もいることは感じています。
ですが私は誰かの言葉だったり、関わりがあって日々救われていると思うし、みんなで助けあって生きていくのが大事だとすごく実感してきました。
一人では生きていけないと思うんです。

そういった友達や家族がいる幸せや、もし誰もいなくても、辛いことがあっても自分という人生があると思います。

当たり前が一瞬にして奪われてしまった経験を何度もしてきました。毎日起きてご飯食べてとか大切な人と何気なく過ごせていることが本当の幸せなんだなっていうことを常に感じているので、そんな想いが伝わってほしいと思っています。
なので私の作品を観てもらった時に少しでも心が温かくなったりとか、大事な人にありがとうと伝えたくなったりしてくれたら嬉しいなと思います。

『CAM’ROC』の時には最後に、いのちの電話の番号を出すなど歌詞に沿って前を向いて一歩踏み出せる作品にしたんですけど、この曲を知らない方には「悲しい作品」と感じるだけで、私の表現したいことが伝わってない方もいらっしゃいました。
『FINAL LEGEND』に向けて、衣装や映像を使って、誰にも理解されない苦悩から明るい未来に進んでいくストーリー性がより伝わりやすくなるようにしたいですね!

また、感情の表現が大事な作品にはなりますが、自分の気持ちを強要しすぎたくないと考えています。私が伝えたことの中でみんなから生まれる気持ちを大事にしてもらいたいです。
ただやっぱり目指すところは一つにならないと伝えたいことの表現が難しいと思うので、出演してくれるみんなと一緒に頑張ります!

CAM’ROC EAST pesents “ROC THE CITY”
【日程】2024.02.23
【場所】CLUB CITTA’
【時間】Open 16:15 / Start 17:00

【MC】
・East MC|MC USK
・West MC|MC AMI

【Guest Dancer】
・GANMI
・Hige + Sora + Hibiki + MiKU + AREi + Nana
・TAKA&Tossy
・猪

【East Artist】
・AngelQueen [あいちょん|Minagi]

・J from VENUS
・KEI
・MAYU KOMORI
・Natsuki
・RYOCHELL
・SHIORI
・YUZU
・ZENIYAN
・壽会

【West Artist】
・BOYS MADE CLUB
・D’LACSSY[Ayanocchi|HIKARINGO]
・FEATHER CREW×MYC
・hana crew
・HASSY+TOY+CHINATSU+ATORA+MO-YAN
・IPPEI CREW
・Kahonna
・MA!KA×RYOKA[B△MDIVA]
・MIYUU
・Ruruka
・Ta-chan
・超女時代

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