世界で活躍する有名ダンサーが集結する、関西随一の歴史をもつ老舗ストリートダンススタジオ「CAMURO DANCE STUDIO」。中でもガールズヒップホップを中心に、数多の実力派ダンサーを輩出する指導力をみせるのはK-KOだ!
10代を中心としながらも幅広い年齢層から人気を博し、関西のガールズヒップホップを牽引する彼女はどのように生徒たちを育成しているのだろうか、その全容をインタビュー!
K-KO PROFILE
10代より多くのジャンルに触れ、数々の大会にて入賞を果たす。さらに「CAM’ROC」をはじめ、多人数コンテストにおいて優勝するなど振付師としての実力を発揮し、活動の幅を広げている。また「DIVAcrew」を結成後は「World Of Dance」に日本代表として出場するといった世界での活躍をみせている。
現在ではアーティストのバックダンサーとしての出演だけでなく次世代の育成にも力を注ぎ、ガールズヒップホップ界を牽引している。
私のショーを求められるダンサーになりたい。
——普段の活動について教えてください!
基本的にはレッスンやワークショップ、ナンバー出展ですが、最近の活動の中心になっているのは、私がずっと教えてきた生徒たちと組んでいる「DIVAcrew」での活動ですね! 「DIVAcrew」のみんなでショーケース出演やPV撮影を楽しくカッコよくやっています。
中には私がいただいたお仕事をクルーの仲間たちと一緒にこなしていたりと、とても頼りにしているんです。
私は主にヒップホップの曲を使うことが多いんですけど、動きとしては体のラインを強調させるような、女性らしさのある動きが特徴と捉えています。また、アジアにしかガールズヒップホップはないと思うので、そういった日本特有の、力強い女性らしさのあるジャンルというところで大事にしながら次世代に伝えています。
——それでは振付にもヒップホップの要素が多いのでしょうか?
もちろん使用する曲やその時のテーマによって変わってくることもありますが、私はヒップホップ色の強いカッコいい振付やステップが振付のメインになっています。その中にアクセントとしてセクシーな要素を入れていますね。
そういった意識を持って振付をつくるので、他のガールズヒップホップを主にしているダンサーと比べると印象が違ってくるでしょうし、基礎ができてくるまでは苦戦しやすいかなと思います。
私がこういったスタイルになってきたのは10代の、ガールズヒップホップに触れたころの経験が根幹になっていて……。
当時はイベントに出演できることはあっても、ダンサーとして求められているというよりも見た目や派手さで声をかけていただいている印象があったんですよ。そこで感じたのが、ルックスだけで呼ばれるのではなく、ダンスが上手い且つキュートでオシャレだったら、観てくれる方をより楽しませることができるんじゃないかって思ったんです。ただイベントに華を添えるだけではなく、私のショーを求められるダンサーになろうって目指し始まるきっかけになりましたね! そのためにも見掛け倒しにならないよう、たくさんのジャンルを教わったりしてきました。
——その経験が今に活きているんですね!
過去の経験でいえば特にベースとなっているのはジャズですね。ジャズってスムーズに流れるような振付が特徴的なんですよ。ジャズをずっとやってきてからガールズヒップホップなどを学び始めたので、流れとして綺麗な振付を作る力を養えたのはその経験が大きかったなって実感しています。
レッスンの半分は身体つくり!
——普段のレッスンではどんな内容になりますか?
私が長年やっていたジャズは、一般的にレッスンがほぼ身体づくりだったんですよね。私もすごい衝撃を受けたのが、ダンスを習いに行ってるけど90分のうち60分はトレーニングしていました。60分間は基礎とターンの練習してるみたいな(笑)。
それに対して「こんなに踊らないんだ!」って驚きはしていましたが、私はもっと振付が踊りたいとは思っていなくて。当時はこれが自分のためになってそうだなってなんとなく感じながらずっと続けていました。その時の成果が今のパフォーマンスに活きているので私のレッスンも似たように、最初の45分くらいはトレーニンングとしてストレッチ、筋トレ、リズムワークを行なっていますね。
全体的には半分をトレーニングして半分を振付という流れにしていますが、いつも端折らずに必ずやっています。「ガールズヒップホップなんてあんまり基礎ができなくても踊れそう」って思われてしまうことがないように、そしてみんなとかっこいいダンスがしたいので、そのためにしっかり基礎もやるし身体作りも大事にしていますね!
——身体づくりにかなり力を入れているんですね!
身体つくりにはもう1つ意味があって、それが衣装が似合う体型つくりのシェイプアップになっています。ジャンルの特徴としてセクシーな動きが多いので、それが映える衣装は露出が多いんですよね。なので体を引き締める意味もあります。
体幹やヒップも含めて全身やっているので、まだ振付に入っていないのにみんな汗だくで(笑)。汗をしっかりかいてから踊りだしていますね!
——振付は1回のレッスンにどのくらいの量を行なうのですか?
だいたい4×8から6×8くらいが多いです。それから次の週に4×8か2×8入れて完成するみたいなイメージで、1週目に長くいれて2週目で8×8を完成させています。
振付自体は他の方々に比べると短いと思うんですけど、生徒たちからは「先生のレッスンは90分の中に密に詰まっている」「K-KOさんのレッスンは終わったときに充実した気持ちで帰れる」って言ってくれるんですよ!
内容としてほとんどずっと身体を動かしている状態なので、ある意味それが充実感に繋がっているのかなと思います。その中でも思うように体を動かせない部分が消化不良になって悔しい気持ちも生まれた子たちにとっては、課題が見つかっているでしょうし、次回にリベンジしようって意気込んでくれているかもしれません。
選曲は最新から想い出の曲まで幅広く。
——レッスンの曲はどのように選んでいるんですか?
基本的には新しい曲やその曲のアルバムを聞いてみて、踊ってみたいなってインスピレーションを感じた曲が多いですね。もし気になる曲のMVがあがっていたら1度観て、そこからイメージを明確にして作ってみています。
それから偶然youtubeで流れてきた曲に対して「どういう歌詞なんだろう?」って不思議に感じさせられたときには歌詞の意味を調べてみたりしています。それが例えばシングルママを題材にしているような女性の強い意志が感じられる曲だったり、女性に勇気を与えてくれるような歌だったりすると気持ちが入りやすくて作っちゃいますね!
最近は2000年代の曲を聴くことも多いんですが、私がダンスを頑張ろうと決めた頃なんですよ。その当時はダンスに憧れていろいろ聴いて踊っていたので、今になって聴いてみるととても懐かしいですし、また使いたいなって思いますね。
その当時好きだった曲は今でも良い曲でかっこいいんですよ。曲に対する印象が変わっていなくても浮かんでくる振付はがらっと変わっているのでまた新鮮な気持で作れます。
——その使用曲を聴いて生徒さんがお気に入りになることもありそうですね!
みんなは私をずっと見てきてくれているのでもちろん好みは似てくるのかなとは思うんですけど(笑)、DIVAcrewのメンバーとは本当に曲やファッションの好みが一緒で! 長年教えていた子は特に大人になったので「この曲いいよね」「この曲懐かしいよね」「MVかっこよかったよね」とかそういう話ができるようになり、みんなの成長を感じられて嬉しいと共にすごく楽しいです!
トレンドをおさえた衣装選び。
——作品制作の際、衣装を選ぶときの基準を教えてください!
私は作品によせていることが多いですね。例えば2000年代の曲でメドレーにした時は、当時のファッションで統一していましたし、ヒップを強調したい振付が多い時には、ズボンにはしないとか。でもガールズヒップホップなのでどんな作品でもスタイルや動きが綺麗に見えるように、ボディラインがハッキリとした衣装を選んでいます。
それからトレンドのファッションにはアンテナを張っていますね。ニュースクールに分類されているジャンルって曲もファッションもどんどん流行りものを世に出していこうとする意識があるんですよ。例えばレザーが流行っていたらどこかにレザーを取り入れてみたり、柄が流行っていたら柄物を中心にしてみるとか……。
ですので最新ファッションを取りいれた上でガールズヒップホップらしい衣装になるように意識しています。
——ダンスにファッション性は必須ということですね!
私自身もダンスのショーに出る時、やっぱりオシャレな衣装で準備しているチームは観てみたいなって思わされますし、ヘアセットから靴まで整えていると気になってしまいますね!
お客さんはタダで観に来ているわけではないでしょうし見ごたえのあるステージを楽しみに来てくれていると思うので、私は少しでもダンサーというだけでなく1人のアーティストとして、ステージに立つという想いを持っています。だからファッションへのこだわりっていうのは常にありますね。
それを見てくれているからか、生徒たちも発表会になると自主的にヘアセットに行ってきたりとか、本番の日までに髪を染めてくるとか、そういったルックスへの意識は気にかけてくれています。そういう日にはみんないつもよりも楽しげなので、もしかしたらファッションも楽しくてガールズヒップホップをやっているのかもしれませんね!
頑張っている子たちを世に輩出したい。
——今後の展望を教えてください!
最近、私自身の考え方が変わり始めているんです。これまでは私がステージに立って、私が目立ちたいって感情を持ってダンスをしていました。それが「DIVAcrew」を結成し始めてからは、私がメンバーを引っ張って、メンバーのソロ活動など、活躍している姿を見るのが生きがいにはなってきていて。これからはもっと「DIVAcrew」メンバーやその生徒たちなど頑張っている子たちをプロデュースして、活躍させてあげたいですね。また、そのメンバーたちが今までになかったかたちで世に輩出されたら嬉しいなと思います。
言葉にすると壮大な夢ですがこれが広がっていけたら嬉しいですし、ダンスだけにとどまらずプロデュースした子たちがメジャーになったりとか、SNSで広がってもっと多くの方に知ってもらえるように出来たらいいなって考えていますね。そんな子たちがワンマンショーとかできるくらいまで成長させてあげたいですね!
——プロデューサーのような立ち位置を目指していらっしゃるんですね!
以前と違って自分がステージに立つことよりも、みんなを活躍させるために力を注ぐほうが楽しくなっています。だからかもしれませんがみんなに教えている時が楽しいですし、「勉強になった」「学びの時間になっている」って言ってくれることが嬉しかったり。
とはいえ私自身ももっとコレオグラファーとして新しいことをしていきたいと考えているので、枠にはまりすぎずに幅を広げつつ、私なりのスタイルを軸にしてガールズヒップホップをもっと広めていきたいです。
まずはさまざまな地域でワークショップなどを開催して少しでも私のスタイルを見て、感じて、知ってもらえる機会を増やせたらいいですね!
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