Legend UNIVERSE 2019 審査員インタビュー ~舞台演出家の視点~

インタビュー

関西のステージ・エンタメ界を代表する一大文化を築いた宝塚歌劇団をはじめ、数多くのミュージカル作品を手がけ続けてきた巨匠演出家、小池修一郎。近年では、KAORIaliveやAKIHITOなどを大型ミュージカルの振付師として起用し、ストリートダンスからも新たなる才能を抜擢し続けている。その彼の視点に映るショービジネス、そして東西の違いとは!?

数々の興行神話を築いてきた ミュージカル界屈指の巨匠演出家!

大会審査員長
演出家
宝塚歌劇団 理事
小池 修一郎

Profile:1986年より演出家として活動開始。以後「エリザベート」や「華麗なるギャツビー」など数多くのヒット作を手がけるほか、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」や2007年「世界陸上選手権」の演出を手がけるなど日本屈指の舞台演出家として活躍。その功績が讃えられ2014年には紫綬褒章を授与されている。

※紫綬褒章:学問や文化、スポーツの分野において、優れた功績を残した功労者に贈られる褒賞。

どんな芸事にも存在する流行廃りの中で、
〝その時代のニーズ〟を表現できる新鮮さが求められている。

政治・文化の中心地だった西日本は、芸事も歴史がある。

――小池先生は東京・大阪の両地域で活躍されていますが、東西の違いはどのように感じられていますか?

仕事柄、関東と関西を行き来していますが、関西というか九州まで含めた西日本というのは芸事がすごく盛んな印象がありますね。
日本も昔は西日本が政治や文化の中心でしたし、歌舞伎だって京都が発祥ですよね? そういった歴史を感じます。

――〝芸事〟というのは具体的にどのようなことでしょうか?

歌舞伎や日本舞踊だったり、楽器で言えば琵琶や琴、三味線もそうですね。そういった芸事の文化はやはり西日本の方がものすごい歴史が古い。そして、そういった下地があるからこそ、バレエの稽古場なども関西にはとても多いですし、親がこどもに芸事を習わせるというのが風習としてあるのかなと感じています。僕は東京生まれですが、関西に行ってそのように感じましたね。

――ではダンスにおいても地域毎の特色や違いを感じられることはありますか?

今はどこに住んでいても、それこそ日本だけじゃなく世界中のいろんなものを手軽にネットで発見して見ることができる。昔だと東京とかニューヨーク、ロンドンとかに住んでいないと知り得ない、観れないものが今では簡単に共有できたりするので、地域の独自性というのはなくなってきているように感じます。
ある意味では、どこに住んでいるかに限らず同じ知識の基盤で競い合いやすくなっているのかなとも思いますね。

――小池先生は、近年ではKAORIaliveさんやAKIHITOさんなど、ストリートダンスシーンの振付師の方を起用されていますが、どのようにお考えですか?

すごく新しい才能だと感じています。私たちにとっても刺激的ですし、やっているご本人たちにとっても刺激的だと思います。
お二方それぞれもいろんなダンスの仕事をしていらしたでしょうけども、こういったショービジネスというか、アメリカだとシアターアーツと言いますね、そういったところに新たな才能が入ってくるのはとても素晴らしいことと感じています。

物語かスターか?どれを活かすべきなのかに応える。

――小池先生はいわゆるストリートダンスシーンの振付師にもよく注目されているのでしょうか?

もちろんそうですよ。DAZZLEの長谷川達也さんや梅棒さんなども、私たちのようなミュージカルやコンサートなどの業界は彼らのような才能に注目していますし、そういった方を数多く輩出している『Legend Tokyo』も含めて注目されていると思います。

――では、小池先生が振付師に求めることや、大事にされていることはありますか?

ショービジネスとしてのニーズ、公演ごとに必要とされるものにしっかり対応していく柔軟な思考というものは重要です。物語なのか? ドラマなのか? 逆にスターが中心なのか? パフォーマーを目立たせるのか? どれを活かすかという求められていることにちゃんと応えることができるかどうかということは大事にしています。

――現場ごとに求められていることを判断して応える力が必要なのですね!

それともう1つは、時代のニーズをちゃんと表現できる新鮮さというものはすごく欲しいですね。どんなにオーソドックスなものでも求められるものは違って、歴史の長い日本舞踊やバレエ、それこそ日本画や書道でも言えることですが、その中にも必ず〝流行廃り〟がある。そういった中で今の時代にちゃんと評価されるものをその人が持っているかどうかということはすごく大事ですね。

――では、審査員長としてご参加いただく『Legend UNIVERSE』に期待されていることを教えてください!

やはり全国にいろんな振付師やダンサーの方がいてそれぞれ頑張っていて、そこで「これからプロとして大きく外の業界に向けて活躍していきたい」という人が集まっている大会だと思いますので、すごく楽しみですね。もともと『Legend Tokyo』も関西の方も数多く活躍されたり結果を出されてますよね? そういうところも、僕のように東西両方で仕事をしている人間からすると、とても素敵なところだと思いますよ!

この業界からのアドバイス!

現場ごとに何が必要とされているかの需要に応えること。そして今の時代のニーズをちゃんと表現できる新鮮さが必要!

Job File


宝塚歌劇『エリザベート』
小池修一郎氏の代表作とも言える名作。1996年の宝塚での初演以来、現在に至るまで再演が繰り返され、人気演目となっている。

 


宝塚歌劇『オーシャンズ11』
同名のハリウッド映画の初のミュージカル化作品の脚本・演出を手がける。2011年の初演以来何度も再演された人気作。

 


ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
小池修一郎氏が潤色・演出をてがけた2017年、2019年上演の話題作。振付師にはKAORIaliveやAKIHITO(ENcounter ENgravers)といった歴代『Legend Tokyo』優勝コレオグラファーたちが起用された。

 


ミュージカル「1789」
フランスの人気ミュージカルを潤色・演出。2015年に宝塚歌劇団版、2016年に東宝版が開幕され、ともに大ヒットを記録。振付師には『Legend Tokyo Chapter.4』覇者のKAORIaliveが起用された。

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