振付作品コンテスト『Legend UNIVERSE』の特徴の1つが審査方法。〝誰もが楽しめる作品〟を見極めるため、各業界の有識者たちが多様な視点をもって作品を審査する。また審査員と参画企業それぞれが「独自賞」を選び次なる機会につなげる。そこで各独自賞の受賞結果、そして審査員たちの貴重な言葉をお伝えしましょう!
舞台演出家の視点。
数々の興行神話を築いてきた日本ミュージカル界屈指の演出家!
関西の爆発的熱量がとても新鮮! 新たに誕生する今後のシーンに期待!
―今大会の全体的な感想はいかがでしたか?
大阪ならではの土地柄もあるかと思いますが、「熱いレジェンドが帰ってきた!」と感銘を受けました。今までの東京開催ではクオリティが保たれてよい面もありますが、ちょっと小慣れてきた感もあって……、関西はいい意味での新鮮さ、爆発的な熱気がありました! 今後の開催によって今までに見たことがない新しい作品がどんどん生まれていく予感がします!
―どのような点が印象に残ったのでしょうか?
審査員賞を贈ったKAISEI作品は、日常的な状態や仕草をダンスに変換し、内面・心理を描いていく演劇的な創作が非常に素晴らしかった。動作にとてもリアリティがありましたね。さらに、描いている内容が〝日々の葛藤〟ということに、うならせられました。非常に伸びしろのある才能に出会えたと思います。これから期待しています!
―ほかに気になった作品はいかがでしょうか?
準優勝のSoul of the sprit作品も大変みごとでした。本当におもしろかったですが、起承転結の〝結〟に入るところのまとめ方、そこがもう一声、惜しかったと感じました。また、akane率いる登美丘高校ダンス部も素晴らしかった。ダンスそのものに特化している点。シチュエーション・雰囲気、音に対するノリを含め、まさに踊るという原点を徹底しているなと感心しました。 やはり、作品創作においてダンスを徹底するか、演劇的なもので魅せていくのか、その方向性の判断は大切ですね!
授与賞:舞台演出家 審査員長 特別賞
受賞作品:KAISEI作品「黒のパレード」
コレオグラファーの視点。
日本発の大学ダンス学科講師をつとめる、ジャズダンス界を代表する重鎮!
作品完成度は照明によって大きく変わる。 振付・構成と同じぐらい大切にすべき!
―審査員賞を選ばれた理由をお聞かせください!
コンテストに挑戦する時ってどうしても、審査員や観客のウケを意識してしまうことが多いのですが、ゆたぴ作品は自身のコンセプトがぶれていないことがよかったですね。今後、成長が楽しみなコレオグラファーです。ただ少しアドバイスするとしたら照明の使い方がちょっともったいなかったかな? きっとこういう見せ方をしたいんだな、ということは解ったのですが、使い方がもう少し違ったら、もっと上位まで食い込んだのではと思いますよ!
―ほかに印象に残った作品はありましたか?
やはり、登美丘高校ダンス部です。よくあれだけの人数をまとめたなと感心します。暗転が少なく照明に頼っていないところもよかったです。ほかにはMiさんも構成・作品創りがよかったと思いました。ただ、最初と最後が多少もったいなく、もっとダンスそのもので見せてくれれば、さらに良い作品になると思いました。
―では最後に、全体的なご感想はいかがでしたか?
全体的なアドバイスとして、やはり照明はただ使えばいいというものではなく、作品が生きるか死ぬか、それぐらい大事! そして、関西にもいいコレオグラファーがいるな、率直にそう思いました! お客さまも反応がよかったので演者もやりやすかったですよね。 今後は関西だけでなく、地方でも大会開催をしてほしいです。アジアにも進出してくれたらこの大会が地球規模で盛りあがっていくと思います!
授与賞:コレオグラファー審査員賞
受賞作品:ゆたぴ作品「少女の白昼夢」
エンタメ・コンテンツとしての視点。
関西・インバウンド需要に向けたコンテンツ開発を手がける仕掛け人!
このコンテンツをどう広げていくのか!? 才能あふれる振付師の未来に期待!
―審査員賞を選ばれた理由をお聞かせください!
トップバッターというのは、場ができ上がっていない状況でベストを出すのはなかなかしんどい部分あるんですが、Lupinus作品はそこを本当に堂々とやり切ってる感じとゾワゾワと寒気がする瞬間が何度かあって、すごく素敵なクオリティのパフォーマンスを見れたと感じました! 映画を見ているかのような、本当にエンドロールが流れてくるくらいのイメージが浮かんで、最初から、ものすごく素敵だと思いましたね!
―他に印象に残った作品はありましたか?
印象に残ったのはゆたぴ作品ですね。ものすごく独特で何と言うか……、うまく言えないんですけど「なんだこれは!?」という衝撃があって、頭から離れず興味深い。単純にこのコレオグラファーのもっと先が見たいと思いました!
―大会を振り返って全体的なご感想はいかがでしたか?
今って、昔より間違いなくダンスに対する世間の受け入れ方がだいぶ変わってきていますよね!? 明確なアイディアはないんですが、この大会にお客さんがたくさん入っていて歓声もすごくて、あんなに盛り上がってたのは、すごく内向きで爆発できている感じがしました! それをどう世の中に向けていくのか? どうやって、もっと出演者をまったく知らないお客さんで埋めるのかを考えていく価値はあると思います。このコンテンツを大きくするために、どう広げていくのか、才能あふれるコレオグラファーたちとの大会の未来が楽しみです!
授与賞:吉本興業 審査員賞
受賞作品:Lupinus作品「for me」
エンタメ・マネジメント業界の視点。
数々の才能を発掘、育成してきた日本芸能マネジメント界の重鎮!
初の大阪開催。振付師の意気込み、 そしてお客さんの熱さが伝わってきた!
―まず、今大会の全体的なご感想はいかがでしたか?
初の大阪開催ということで、すごく新鮮味がありましたね。何と言ってもお客さんが温かい……、というかむしろ熱い! それと今回は事前に参加コレオグラファーみなさんのインタビュー動画があって、すべて拝見させていただきましたが、みなさんの意気込みが伝わってきて、すごく良かったですね!
―印象的だった作品についてご感想をお聞かせください!
まず、審査員賞をお贈りしたMahiroさんは新鮮な振付で活き活きしている印象がありました。中国の功夫がモチーフというのも経済やエンタメ市場的に時流と向き合っている感じがありましたね。あとはたかりんさんはエンタメの原点として、すごく楽しませてもらいました! そして登美丘高校ダンス部とSoul of the Spiritは、もう言うことない完成度でしたね!
―今後どのようなことをダンスシーンに期待されますか?
今大会では、前半はいいんだけど後半は尻つぼみ……、というちょっともったいない印象を感じた作品もいくつかあったので、そこは今後の課題として成長していって欲しいですね。 また、この大会の存在もあって、今後ますますダンサーの方々がダンスで食べていける文化が近づいてきたと思います。そういう点でも、ダンスはノンバーバル(非言語)な表現という強みがあります。やはり今後、増え続ける海外からのお客さまに対して、もっとグローバルな意識をシーン全体でもつことがより大切になってくると思いますよ!
授与賞:ホリプロ 審査員賞
受賞作品:Mahiro作品「Can who ~功夫~」
2019.7.6(土)-7(日) @大阪・オリックス劇場
大会公式サイト https://legend-creative.jp/universe/2019/
次回開催2020年8月8日(土)-9日(日)@大阪・オリックス劇場
- 西日本予選大会『Legend RISE 2020』2020年2月24日(月祝)@芦屋・ルナホール
- 東日本提携イベント『コレ×ステ vol.4』2020年2月29日(土)@HY TOWN HALL
- 中日本提携大会『master works TOKAI -第七章-』2020年3月8日(日)@東海市芸術劇場
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