JDACが描くダンス教育の可能性! 【後編】

インタビュー
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今日、多くのメディアでダンスが取り上げられ、TVでダンスを観ない日はなくなりつつあるが、その盛り上がりを支えるのは〝技術的〟にトップレベルのダンサーたちだけではない。〝教育的〟にトップレベルの指導者の存在も、その一助となっているのだ! そしてダンスシーンと教育的シーンの架け橋となっているのが、JDACと呼ばれる組織。あまり表には出てくることの少ない陰の功労者である彼らが活躍する現場の実情、そしてその未来に迫る!

〝ダンスを指導する〞 という技術を評価し、 価値のあるツールに。

JDAC 実行委員長
前山 善憲(ダンサー名:のりんご☆)

Profile:東京都をはじめ日本各都市公認のパフォーマーとして活躍するほか、文部科学省後援『日本高校ダンス部選手権』審査員、国立大学法人兵庫教育大学の特別講師など歴任。伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸師匠より「河内家野林檎丸」を襲名し、日本の伝統的なダンスの普及振興に努めている。

指導技術を競い合う、 今までにない大会!

―― JDACが主催する「指導技術コンクール」では、どんな基準で評価されるのでしょうか?

大きな特徴として事前に授業の指導案を提出していただくのですが、その時点でどこまで掘り下げられて計画が練られているかが大きなポイントです。どんな子どもを対象に想定していて、どんな狙いがあり、どういった方法で指導するのか……、より具体的でありながらも、他の指導者が読んで応用できる分かりやすさも必要です。

―― 実際の指導案にはどういった内容が書かれるのでしょうか?

目標やテーマ、想定される指導場面や年齢・性別・人数などの指導対象、それからその時間の指導計画表などです。もちろん当日は、それぞれの指導案を元に実際にどう進めるのか、〝エア授業〞を披露していただき、よりリアルな授業をイメージして審査します。中には詰め込みすぎて実践で消化できない指導案もあったり、逆に実際に授業は想像したより面白かったり、観ていても勉強になるものばかりです。

――過去3回、審査員をされている前山さんからみていかがですか?

年々そのレベルが上がってきていて、正しい知識や考え方を元に指導をされている方の母数が増えてきているのを感じます。そういった意味でもJDACとして伝えてきたことが浸透してきているともいえるので、嬉しいですね。
また、色々な方にご参加いただき、学校の先生はもちろん、スタジオのインストラクターも増えてきました。これまでにない新しい教え方や 10 人いれば 10 通りの 教え方があるので観ていて楽しいですし、私が主催側の人間でなければ挑戦したいくらいです。

ダンス指導で巻き起こす イノベーション!

―― 技術革新とも呼べる変化が起きているのですね!

ダンス指導の現場においても時代が変わってきているのを感じます。我々のもとにも学校や自治体から多くの依頼が届きますし、全国で中学・高校のダンス部が急増しており、ますます指導者の需要が高まっていくはずです。

―― 今後の展望をお聞かせください!

メディアなどでも指導者にスポットが当てられることが増えてきました。多くの子どもたちに影響を与え、これからの時代を作っていく重要なポジションにいるのが指導者なので、これからもより一層、知識と技術、そして資質を兼ね備えた人材を輩出していきたいです!
また、何年かすると質のいい指導法がアーカイブされていきます。これはひとつの財産でもあるので、これを広めていく活動も必要です。特にダンスは世界共通のコミュニケーションツールでもあるので、日本ならではの指導技術を海外に伝えたいですね。逆に世界には様々な国の文化やダンスがあるので、そういったものも取り入れていけたら素晴らしいのではないでしょうか。

――なんと世界も視野に入っているのですね!

〝ダンスの指導〞という分野は、まだまだたくさんの可能性を秘めています。我々の行っているコンクールはそういった新しい可能性に触れられる貴重な機会かと思いますし、誰でも観覧できるよう無料で解放していますので、ぜひ多くの方にお越しいただきたいですね!

ダンス教育指導者 指導技術コンクールとは?


ダンスの〝指導技術〟を競い合う、日本で唯一の大会。指導者同士の交流や全体の技術向上、互いに観て学ぶ場としての側面もあり、最も優れた指導者には金賞として文部科学大臣賞が贈られる。審査は、「事前に提出する指導案」と当日会場で実演する「模擬授業」によって各審査員により判断される。

過去大会の受賞者の活躍をチェック!

過去開催のコンクールで上位入賞を果たした人は行政や教育委員会からさまざまな依頼が届くという! ここではその活躍のほんの一例をご紹介!

 


第1回優勝(金賞)の紺野さんは居住地の市民栄誉賞が授与され、市長訪問、メディア掲載なども多数!

 


第2回準優勝(銀賞)の北村さんは地方紙に大きくその活躍が掲載され、その後JDACの認定講師に!

 


その他に小・中学校、高校や教育委員会などから依頼があり、外部指導者としてダンス授業を担当!

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