【審査員はどうみた!?】『Legend Tokyo Chapter.11』審査員総評公開!

インタビュー
スポンサーリンク

【審査員はどうみた!?】『Legend Tokyo Chapter.11』審査員総評公開!(3/4)

衣裳などの視覚美術力を見極める視点 衣裳・装飾美術賞

選定審査員:生澤 美子

世界に誇る熱い創作力に感嘆
作品を活かす衣裳にもさらなる追求を。

━━初参加いただきましたが、いかがでしたか
 こんなに熱い大会が日本で行なわれていることに驚きました! 暗いニュースが多い昨今、仲間が一丸となって作品づくりをして、表彰式で名前が呼ばれるたびに歓声が上がって……。
 その熱量にこの国もまだ捨てたもんじゃないなって安心したと同時に嬉しかったですね!

━━衣裳をはじめビジュアルに注目して審査いただきましたが、いかがでしたか?
 私の推しは茉莉花作品! 冒頭でヘッドドレスが綺麗にみえた瞬間に、これは衣装にこだわってる人だなって確信しました。デザインはもちろん、私は職業柄、本当に細部まで気になりますが、踊るのに適したスカートの蹴廻しとか、舞った時の生地の滞空時間とか、身体のラインとか……、トータルで茉莉花作品は完璧でした!

━━では他に気になる作品はありましたか?
 煌めき☆glitter作品はシルバーの素材を上手く組み合わせていて、照明の光が上手くダンスの中に入ってきていたので私の中では2位でした。AIKO FUJIWARA作品はもっとスカートの蹴廻しがあったら綺麗かなとか、Mahiro作品は音楽が現代のものと伝統的な和の音をミックスしていたので衣装もラインは和でありながら現代的な素材も活かして欲しいとか……、どの作品ももっとこうすればダンスがさらに活きるのにな、というポイントがありました。衣装の視点からするとまだまだ進化する可能性を感じましたね!

衣裳・装飾美術賞 ・受賞作品

細部までこだわり抜いた〝ダンスを魅せる衣裳〟と舞台世界観はプロ視点からみても魅了される!

コレオグラフ力を見極める視点 コレオグラフ賞

選定審査員:KAORIalive

今までは1位を予想できたけど……、
今大会は過去最高峰に混戦だった!

━━今大会全体のご感想はいかがでしたか?
 私は『Legend Tokyo』は毎回観ているし、審査員も2回目ですが、今までは1位を予想できたんですけど……、今回は作風がバラエティに富んでいて本当に分からなかった!
 審議も最長に時間がかかって、自分の部門賞を決めるのさえ迷いました。

━━部門賞の選定理由について教えてください!
 AKARI作品は、タイトルから、生まれ変わりのたく飽きさせず、彼らにしかできない作品ですごくうな神秘的なイメージでくるのかと思いきや、何よりも不気味で気持ち悪かった(笑)。で も「もう一度見たい!」という気持ちにさせられた作品で、特にコレオグラフ賞ということで、見たことがない振付や 振付の面白さ、という意味で本作品が一番興味をそそられたので選びました。

━━他に気になった作品を教えてください!
 茉莉花作品は、ニワトリがテーマということは分かりつつ、冒頭から「え?何が始まるの!?」とワクワクして心を鷲掴みにされました。コンテンポラリーなニュアンスもあって美しかったし、すごくアートで美しい作品でした!
 KEMURI作品もおしゃれで、1曲使いなのにまったく飽きさせず、彼らにしかできない作品ですごく好きでした。AIKO FUJIWARA作品も、大人数の構成が 神秘的で美しかった。あの人数をまとめるのは、かなり統率力と指導力がないとできない。この大会に必要なのは、コレオグラフ力というより実はリーダー力なんですが……、そういうものを一番感じた作品でしたね!

コレオグラフ賞・受賞作品

不気味ながらも「もう一度見たい!」と思わせる。見たことがない振付の面白さがあった!

海外に広げるための視点 グローバル作品賞

選定審査員:Yuko Sumida Jackson

コロナ禍からの復活開催ということで
とにかく会場の熱気が印象的

━━グローバル作品賞の選定理由をお聞かせくだ さい!
 審査視点として、海外の方がどういう受け止め方 ができて、伝わってくる日本らしい要素や魅力が目いっぱい詰めこまれてるぐらいの勢いがないと難しいな……と思っていました。
 でもMahiro作品はそんな私の評価レベルを超えていましたね。 特に〝和〟を感じさせる表現だけでなく、〝間〟の使い方がすごく印象的で素晴らしかったです!

━━他にも印象的な作品はありましたか?
 ZoooM作品は映画のようにシーンが変わっていく様子がまるで舞台が回っているように感じて、 観ている私自身も一緒に舞台にいるような、すごく作品に引き込まれて楽しめましたね!
 またAIKO FUJIWARA作品はユニットとしての素晴らしさ、繊細な演出や振付が印象的でした。たぬき作品は誰でも楽しめるテーマを分かりやすく作品にしているところが、キムラモトコ作品はダンサーとして共感できる部分を掘り下げて観る人に面白く伝えているところが良かったですね!

━━今大会全体のご感想はいかがでしたか?
 コロナ禍からの復活開催ということで、会場にいらしたお客さんもそうですし、出演者や関係者の方々の「待ってました!」というすごくエキサイティングな感じやエネルギーを感じることができて私自身もすごく興奮して作品を観ていました! とにかく会場の熱気が印象的で、この熱意を絶やさず、まだまだ盛りあがっていって欲しいですね!

グローバル作品賞・受賞作品

多くのエッセンスが〝和〟としてまとめ上げられていて、特に重要な〝間〟の使い方も巧みであった!

新時代を拓くための視点 次世代クリエイティブ賞

選定審査員:新鞍トシヤ

舞台を皮切りにどう次に繋げるのか!?
それを念頭におけばより広げられる

━━今大会全体のご感想はいかがでしたか?
 まず、すべての作品がレベル高いですし、それぞれ異なるスタイルを素晴らしい完成度に仕上げてきているので、非常に楽しませていただきました。

━━部門賞の授賞作品について教えてください!
 舞台で行なわれる表現を、いかに飛び出させるかを念頭にもおく。その方が、より多くの方々に拡散 できるし、より多くの感動を生みだせます。僕の視点として、その可能性を重視して審査しました。
 煌めき☆glitter作品は独自の世界観があり、舞台で楽しませる作品として成立していましたが、さらに映像作品になっていても楽しめる! そこから2次創作による 、さまざまな広がりを生みだすこともできる! そんな期待と可能性を感じさせてくれる作品でしたので選ばせていだきました!

━━他にも印象的な作品はありましたか?
 Miyuki作品は赤い衣装とともに、冒頭の身体をブルブル震わす動きが印象的で最初から惹きこまれました。MEGUMU作品は5分間の濃密かつ飽きない作品性に感動いたしました!
 また、僕も優勝候補に選んだZoooM作品は、場面転換と視線誘導がしっかりされていたので、観客にどこへ目を向けて楽しんでほしいのかを意図的に表現されていて素敵でした。きっと映像作品にしても繋がるでしょう! 自粛を余儀なくされたコロナ禍が明けて5年ぶりに開催された今大会でしたので、復 活を象徴するような作品に感銘を受けましたね!

次世代クリエイティブ賞・受賞作品

舞台上だけでなく、より他分野でも2次的な広がりを感じせる表現作品であった!

次ページ ▶ 企業選定賞 Gran company賞、HIPJIVE賞、JDAC賞 担当選定員の視点!

コメント

タイトルとURLをコピーしました