【審査員はどうみた!?】『Legend Tokyo Chapter.11』審査員総評公開!

インタビュー
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【審査員はどうみた!?】『Legend Tokyo Chapter.11』審査員総評公開!(2/4)

テーマ表現力を見極める視点 テーマ表現賞

選定審査員:鈴木  基之

パンデミックを経て生まれた
個性豊かな作品は期待以上であった

━━今大会全体のご感想はいかがでしたか?
 表彰式でも言及しましたが、 歴史的に見てもパンデミックの後というのは英雄が生まれたり、新しい文化の革新が起きている! だから今回はすごく期待をしていましたが、期待通りでしたね。
 コロナ禍で考えていたことがそれぞれ違うから、これだけ個性豊かな作品が生まれたんじゃな いでしょうか。今まで以上に振付師たちの個性が出ていて非常に楽しかったです。

部門賞の授賞作品について教えてください!
 これは授賞後に気づいたのですが……、5年前に彼女がアストコというユニットで出展したときにも私が賞に選んでいました。その時も、そして今回も、等身大の自分自身を作品にしているところがすごくいいと思いました。普通は、次はもっと作品らしい作品を持ってきがちだけど、今回も自分事の作品をやったという気概が素晴らしかった!

━━他に気になった作品を教えてください
 SHOJIN作品は、いつも以上にエンタメ性豊かで、計算された構成とパフォーマンス、ストーリーが素 晴らしく、魂を鷲掴みにされました 。AKARI作品も、生命の輪廻が最後までよくわかる構成が素晴らしかった。CHIGUSA作品は、まさに今の時代のダイバーシティが現れていて本当に楽しい作品でした。また、たぬき作品は、受験から合格までという1つのテーマに対して実に多彩な表現構成を織り込んできた。新時代ならではのエンタメ・センスを感じましたね!

テーマ表現賞・受賞作品

苦労の中、それでも「 ダンスが大好きだ 」が伝わる、まさに今の等身大をぶつけた作品であった!

出演ダンサーたちの力を見極める視点 出演ダンサー&指導賞

選定審査員:近藤 良平

深く追及された作品テーマの
個性豊かなアカルト終始感心!

━━今大会全体のご感想はいかがでしたか?
 僕は普段こういったダンスナンバー作品をあまり見ていないのですが、どの作品もテーマをしっかり追求していて感心しましたね。
 それぞれ追求しているものが違うアラカルト感が面白かった。ヒップホップばかりじゃなく、意外と裸足でバリバリ踊っているような作品も多くて、そっち系のダンス出身の僕として印象的でした。

部門賞の授賞作品について教えてください!
 SHOJIN作品は、意志を持って自身の道を貫いていて、小学生から50代までの出演者がそれに応えようとしているシンプルなよさがありましたね。
 また、僕が総合1位に選んだキムラモトコ作品は、まず演 出が上手くてすごくワクワクしました。さらにコレオグラフの大会で「コーラスライン」を題材にする こと自体なんかおかしい(笑)。 それを堂々とやっていることも面白かった!

━━他にも印象的な作品はありましたか?
 KEMURI作品が、とても印象に残りました。また、煌めき☆glitterは、ヒップホップもあそこまでいくとすごい! と思った。Miyuki作品は、曲使い的には評価され辛いと思うけど、アグレッシブな振付との組み合わせで僕は好きでした。aoi作品は、プリミティブな感じのアフリカンで、展開が上手で意表 をつかれました。そしてたぬき作品は、僕ら「コンドルズ」は普段、学ランを着て踊っているので、学生服で全然違う表現をしていることに、個人的にとても感慨深かったです(笑)!

出演ダンサー& 指導賞・受賞作品

振付師が貫こうとしている道を、幅広い世代のダンサーたちが応えている熱量が伝わってきた!

音楽表現力を見極める視点 音楽表現賞

選定審査員:GIORGIO CANCEMI

音楽の活かし方がより多彩になった
音楽業界屈指のヒットメーカー

━━音楽表現賞の選定理由をお聞かせください!
 KEMURI作品はスキャットっぽい音声のみの楽曲を使用されていましたが、楽器のビートとはまた違ったリズムを変則的に活かして表現することにより、独特なグルーヴを生みだしていました。
 そこにアーティストとしてのエゴを一定のところで抑えた上でのコレオグラフの美を感じたといいますか、芸術性の上に1つ乗っかっているものを感じて純粋にカッコいいと思いましたね!

━━他にも印象的な作品はありましたか?
 たぬき作品はエンターテインメントとして、ずば抜けていましたね! 年齢や性別、出身地を問わず誰もが楽しめる作品だと感じました。またKOSUKE作品は単純にヒップホップというジャンルとしてずば抜けてかっこよかったです。Mahiro作品のヒップホップ感も好きでしたし、煌めき☆glitter作品の音を上手く活用していた点、AIKO FUJIWARA作品の芸術的な美しさもすごく良かったです!

━━では、今後のコレオグラファーに対して期待されることはありますか
 やはり作品に合わせて完璧にゼロから作られた音楽でコレオグラフするのを見てみたい気持ちはありますね 。もちろん「 オリジナルであればいい」という話ではないですが、作品を映像化して広げる時などに著作権の壁もなくなりますし、究極のエンターテインメントを追究するという意味では、そういう作品も増えてくるといいなと思います!

音楽表現賞・受賞作品

独特な音声楽曲のリズムを変則的に活かし、自分たちならではのグルーヴを作りあげていた!

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