今こそダンスが求められている!? 映像制作プロデューサー陣が語るダンスの可能性とは!

インタビュー
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今こそダンスが求められている!? 映像制作プロデューサー陣が語るダンスの可能性とは!(3/4)

縦型画角にきれいにおさまり、マネしやすい、拡散されるダンスを計算して作る時代。

――CMの制作でも縦型の映像は実際に増えているんですか? 横型との違いってどういったところになりますか?

守谷:すごく増えていますね。もはや〝テレビありき〟ではない発信が増えてきています。違いとしては横型は背景がしっかり映って「シーンの意味」が分かるものになり、作られた世界観、物語がそこにあるという表現。縦型は人のアップ、特に上半身が大きくフレーミングされて「等身大、親近感」という印象の表現になります。

橋本:縦型はスマホありきの表現なので、TikTokやInstagramのストーリーズに慣れ親しんだ若い世代には馴染みやすい。「誰に向けてその映像を発信するのか」ということを考えて画角を考えなければいけない時代になったんだと思います。

武内:僕は橋本や守谷と違って縦型をメインに作ったことはないのですが、CMでタレントさんのインタビューやメイキングを撮ったものを後でInstagramに縦型の動画で流したい、という依頼を受けることもあります。最初から縦型にトリミングする前提で横型の映像を撮影することも多いですね。

――おっしゃるように、今ではテレビCMだけでなくSNSを始めとした色んなメディアに即したCMを作る必要があるんですね!

橋本:テレビには流すけどメインはTikTokやストーリーズへの投稿で「いかにティーン層に反応してもらうか?」ということを逆算してテレビCMを作ることも多いです。アーティスト関連の仕事の場合でもそこは意識していますね。最近ですとNiziUさんの〝縄跳びダンス〟はTikTokの「縦型の画角に収まりやすくてマネしやすい、だから拡散されやすい」ということがとても計算されている印象を受けました。よく考えられていて、上手いなぁって思いましたね!

武内 践氏(AOI Pro.)

――映像のお仕事をする振付師はそういったトレンドもおさえていかなければいけないんですね!

橋本:世界で活躍されていたり、すでに実力もご自身の世界観もある振付師の方だとそういうことって逆に難しいのかなと思っていたのですが、例えばダンサー・振付家のTAKAHIROさんは「TikTokやストーリーズで踊りやすい、上半身をメインにした踊りにしよう」と逆に提案してくださったりすることもあるんです。そうやってご自身のアイデンティティを活かしながらも新しい表現や分野に興味を持ってチャレンジしていただける振付師の方とはもっと出会いたいなと思っています。

――キャッチーさやマネしやすさが重要なのは分かりましたが、世界観を表現するようなダンスは映像では求められていないのでしょうか……?

守谷:もちろん世界観のあるかっこいいダンスは状況や案件によりとても重要ですが、特に広告という限られた時間の映像だと「人物の動きの中で感情を出す」という、あえて作り込まずに感情的にダンスする、ジャンルでいうとコンテンポラリーになると思いますが、そういったものが増えている印象はあります。

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