今こそダンスが求められている!? 映像制作プロデューサー陣が語るダンスの可能性とは!(2/4)
CM振付師は短い時間で伝えるキャッチーなポージングが作れるかどうかが重要!
――映像制作においていつも大事にされていることは何かありますか?
武内:これは広告やMVを問わず、監督や演出のやりたいことをやるにはどうしても予算が足りないということはよくあります。ですので、限られた予算の中でアイディアや人材のつながりなど、自分ならではの武器を使ってより良い映像を作ることはいつも考えています。
――では〝ダンス〟の要素はどういったときに取り入れようということになるのでしょうか?
武内:15秒のCMの場合は「商品を目立たせるためのポージングとしての振付」を使う発想はとても多いです。「このダンスのジャンルをしっかり踊る」ではなく「限られた短い時間の中で見る人に印象を残すキャッチーなポーズ」という動きを振付師さんに依頼することは多いですね。
橋本:特にその発想はビズリーチさんのCMが業界の中では先駆け的な存在だと思います。「短い時間の中で名前と一緒にポーズする」というやり方がすごく成功して、業界的にそういう作りのCMが以降すごく増えました。ある種のフォーマットと言ってもいいぐらい新しい流れができましたね。
――その「ポーズを作る人」として振付師に依頼をされるのでしょうか?
橋本:はい、ですから一口に〝振付師〟と言えど、CMをお願いしたい振付師さんってちょっと違うんですよ。CMの場合はとにかく短い時間で伝えるキャッチーなポージングが作れるかどうかが重要。長くやられている振付師の方は本当にこの部分が上手いですね! そういった意味でも僕らとしては案件ごとに合ういろんなタイプの振付師を知っておく必要があるんです。
守谷:「短い時間の中で」というのも、15秒というCMの中での1秒とか2秒の話で、その尺でどれだけ印象に残るものにするかというのは重要ですね。
――ただ、現在だと15秒のCM以外にもYouTubeなどの〝6秒のCM〟もありますよね!
守谷:6秒だと本当にワンカットでの出演者のアクションやポージングの付け方が重要なポイントになってきます。「子どもがマネをしやすい」ことをポイントにする場合もありますね。特に子どもやティーン層向けの商品の場合はやはりTikTokを意識して作っていく流れが強いです。
橋本:そういったSNSの発達もあって、今は〝踊る〟ということに対する敷居がすごく下がっている時代だなという実感はあります。
守谷:ですので「誰でも踊りやすい」というポイントの振付を取り入れたり、最近ではTikTokでマネされて広がるところまでを前提に考えることも増えていて、縦型動画の中で〝全身というよりバストアップで〟いかにキャッチーなものを作れるかというところが重視されている流れもあります。
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