【独占インタビュー!】DAZZLE長谷川達也、常設イマーシブシアター『Venus of TOKYO』に込めた想いとは!?(前編)

インタビュー
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DAZZLE長谷川達也、常設イマーシブシアター『Venus of TOKYO』に込めた想いとは!? 【前編】 (3/4)
観劇ではなく〝体験することのインパクトそこにエンターテインメントの可能性を感じた。

━━ DAZZLEさんはそれこそ10年以上、舞台表現を開拓され続けていますが、ここ数年はイマーシブシアターを手掛けることが多いように見受けられます。その理由はなんでしょうか?

もちろんイマーシブでない一般的な舞台公演もやっていくつもりですし好きではあるんですけど、自分が実際にイマーシブシアターをNYで体験した時、〝観劇ではなく体験〟の印象の強さというものを強く感じたんですね。

観るだけではなく、体験することによって強く印象に残る、こういうエンタメの作り方もありだと実感して。

まだまだ僕らも今回の出演者も、1人で何千人もお客さんを呼べるダンサーなんていないのが現実なんですね。でも、何千人も呼べないけどそれでもすごく面白いものを作れることが大事だから、それは続けたいという想いがあるんです。

そのためにはただダンスが上手いだけじゃダメで……もちろんクオリティは必要ですが、アイディアこそが大事だと思っていますし、DAZZLEはそこで勝負してきたグループですから、世の中の人たちが「こんなこと体験できるんだ! こんなの他にないよね!」ということをやっていきたいですし、そうやって観に来てくれる人を増やしていけたらいいなと思っています。

「前半はグループ毎の誘導観覧、後半は自由探索」という上演形式により、来場者は全員物語のベースを目撃した上で自由に物語を楽しむことができる。

━━ ではお話いただける範囲で、イマーシブシアターの作り方として工夫されているところはなにかありますか……?

むしろ工夫しているところしかありませんが(笑)、例えば「前半はグループ毎に分けた誘導型、後半が自由探索」というやり方は僕らならではのやり方だと思います。

NYの『スリープノーモア』は最初から最後まで自由探索型で、他のイマーシブシアター公演では全部案内型というものもありました。それの合わせ技というか、全部が自由だとイマーシブシアターが初めての人や慣れていない人にとってどうすればいいか分からない、自由であるが故の不自由さがあると楽しめないと思ったんです。

特に『スリープノーモア』は素晴らしかったんですけど、「もうちょっと分かりたかったな」と思ったんですね。お話が完全ノンバーバルで台詞もない、ただ役者が語らずにダンスと演技をしていて……。僕の勉強不足もあるんですけど、「誰かが誰かを殺そうとしているんだな」ということぐらいしか分からなくて。

そういった分からないことの悔しさとか、キャストが来ると人だかりができてパフォーマンスが見えないストレスとかもあって、僕らがイマーシブシアターを作る時はそういった部分を排除したかったんです。

ちゃんと見れる、ちゃんと伝わる、何がおこなわれているかが分かる。

そのためにもスタートはグループ分けで案内する、見て欲しいパフォーマンスは通ってもらった上で後半からはさぁどうぞ自由に。その両方を合わせた形が日本でやる上ではベストだと思っています。

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